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アキバ在住アナリストのブログvol.5          中国最新事情(上)〜人気高まるMBAと成果を出す産学連携 (11/2更新)

アキバ在住アナリスト、CICOM(サイコム)取締役の石原です。

10月下旬の2週間、中国へ行ってきました。ハイテクアナリストとして、米国シリコンバレーへの現地調査は欠かせないものの、90年代後半からは躍進する中国への渡航が多くなっています。今回はいつもの上海、北京ではなく、福建省の厦門、泉州、福州、そして4年ぶりの大連を訪問しました。主に大学などの研究教育機関や工業団地などのサイエンスパークを視察し、またライフワークである電気街の調査もしてきましたので、2回にわたって御報告します。

中国政府は本年2月に「国家中長期科学技術発展計画綱要」を発表しました。産学官あわせた研究開発費を最終年度の2020年までに年間9,000億元(約13兆円)にし、GDPに占める割合を現在の約2倍の2.5%以上に高める目標です(因みに、同時期に日本で策定された第3期科学技術基本計画では、2010年までの5年間に政府の研究開発投資を25兆円とすることが発表されています)。中国の技術に対する自国依存度は現在50%程度ですが、2020年までに70%以上に高め、中国人による発明・特許数と科学論文の引用件数を世界トップ5にする計画です。中国の研究開発は基礎分野の充実に加え、産業への貢献が早くから重視されていることが特徴です。訪問した厦門大学、福州大学、大連理工大学はいずれも産学連携が盛んでインキュベーションセンターや大学発ベンチャーが実を結んでいます。

福州大学のキャンパス(高層ビルが理工研究棟)
福州大学のキャンパス(高層ビルが理工研究棟)


また近年、マネジメント教育としてのMBAプログラムにも力が入っています。2000年に56校を数えたビジネススクールは2006年に95校に増加し、MBAタイトルホルダーは15,207人に達しています。中国のビジネス誌「経理人」最新号が発表したMBAスクールのトップ20は評価が高く、卒業生の年収アップのデータが目を引きます。

厦門大学のMBA講座
厦門大学のMBA講座

2006年中国ビジネススクール・トップ20
2006年中国ビジネススクール・トップ20


また専門学校などの職業訓練校の充実ぶりも目を見張ります。今回、日本のアウトソーシング企業のマスターピース・グループが提携する大連総合中等専門学校を訪問しました。92年の創立ながら、国家級重点普通中等専門学校に認定され、「勉強は3年、兵隊は3年、受益一生」の校訓のもとに厳格な規律によるコンピュータ教育やデータエントリー、英語・日本語学習、校内にあるホテル設備を使ったサービス研修などが実施されています。制服を着た教員の熱意と在校生の規律の正しさに最近の日本に見られなくなった教育・訓練の原点を感じました。

大連総合中等専門学校のコンピュータ実務教育
大連総合中等専門学校のコンピュータ実務教育


産学連携を実践する科学園区も全国で拡充されています。今回訪問した大連ソフトウェアパークは、中国の国家レベルのソフトウェアパーク11ヶ所のうち、唯一民間主導であり、隣接する製造、バイオ企業などを主体とした高新技術産業園区とともに著しい発展を見せています。場所は、市中心部から車で10分ほどの距離にあり、第1期が3万㎢の敷地に342社が入居し、学生を含めて2万人の人口に達し、既に満杯状況となっています。

大連ソフトウェアパーク第1期の全景
大連ソフトウェアパーク第1期の全景


入居企業の内訳は、中国企業が58%、外資企業42%(うち沖電気や松下など日系企業27%)、事業内訳は、アプリケーションソフト開発50%、BPO30%(GE、HP、デルなど)、設計・開発など20%となっています。現在は組み込みソフトの需要が急伸しているようです。昨年の売上高が100億元に達し、日本向けが何と80%にも達しています。

大連ソフトウェアパークのインキュベーションセンター
大連ソフトウェアパークのインキュベーションセンター


周辺には理工系トップランクの大連理工大学、文系トップランクの東北財経大学があり、さらに大連海事大学、大連軽工業学校、大連水産学校などもあり、そのうえ、4年前にSE養成のため、東軟信息技術学院という大学が設立されています。既に1学年4,000人規模になり一流の評価を得ています。

創立4年目にして高い評価を得る東軟信息技術学院
創立4年目にして高い評価を得る東軟信息技術学院


現在、大連ソフトウェアパークは第1期の敷地からさらに7km先の旅順南路沿いに第2期の開発を進めています。こちらは東部と西部に分かれていますが、シンガポールのデベロッパーのアセンダスが開発を主導し、12万㎢に5万人が集結する予定です。来年2月に一部オープンし、2012年までに開発され、現在3ヶ所に分散している大連外国語大学も移転するようです。いやはやインドといい、中国といい、日本のソフト開発は他国依存が急速に進んでいるのを実感しました。多くの大学が集まり産学連携機能を掲げる秋葉原も見習うべき点が多々ありました。


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