アキバ在住アナリスト、CICOM(サイコム)取締役の石原昇です。
4月に入り、TX秋葉原駅の周辺が一気に華やいできました。17日にTX秋葉原駅開発ビルと仮称されていた複合ビルが、「アキバ・トリム」(B1〜6Fの商業施設)、および「レム秋葉原」(6〜18Fの宿泊施設)としてオープン。24日にはその向かいの旧ロケット本店が飲食店中心の「チョムチョム秋葉原」に生まれ変わりました。さらに26日にはDANKE秋葉原ビルの1〜6Fに都内最大級の「BOOK・OFF」が出店しました。
「アキバ・トリム(AKIBA TOLIM)は、フランス語の「あなたの」を意味する「TON」と「手足」を意味する「LIMB」を組み合わせた造語で、秋葉原オフィスワーカーの手足のように日常的に利用される施設を目指したネーミングです。「レム秋葉原」は、レム睡眠からとったもので「もっと、良い眠りを」をコンセプトに、シングル225室、ツイン35室を阪急阪神第一ホテルグループが運営しています。「チョムチョム(chomp chomp)秋葉原」は、もぐもぐと英語でおいしいものを食べる音のイメージを表現したものです。個室でリラックスできる飲食店が多いのが魅力です。
ここの地名は、神田佐久間町1丁目。総武線と山手線、および神田川と昭和通りに囲まれた200m四方弱のエリアです。江戸時代は、材木や木炭の問屋が集積し、町名も材木商の佐久間平八に由来しています。神田川に面して船溜りがあり、水運の中継地として栄えました。明治になり秋葉原貨物取扱所ができてからは、鉄道荷物の船への積み替えで賑わいました。昭和になって、東京都の秋葉原庁舎や千代田区の和泉橋出張所、秋葉原ワシントンホテルや書泉ブックタワーなどが立ち並んでいます。
さて、神田佐久間町1丁目に今回竣工した2つの複合ビルだけでも、35の物販と飲食店が新規に開店しました。他のスポットでもリニューアルが続いています。そのトレンドには、今までにないアキバ、それと同時にアキバらしさの演出が見て取れます。
今までにないアキバとは、女性をターゲットにしていることです。ライフスタイル雑貨の「ミニプラ」や「無印良品」、ウェアアイテムを揃えた「レッグナビ」や「メーカーズシャツ鎌倉」、スイーツの「サーティーワンアイスクリーム」や「mochi cream」などが出店しました。TXが開通し、アキバに通うOLが増えてきたことが背景にあります。
アキバらしいお店も多数開店しています。模型・サーキットバーの「KYOSHO AKIHABARA」は、お酒を飲みながらラジコンカーに興じることができます。運営母体は、アキバロボット運動会でもお馴染みのホビーロボット「MANOI」を作っている京商です。神田駅前にあった書店のブックファーストも、秋葉原に移転してきました。ビジネス書はもちろん、サブカルチャー関連の品揃えが豊富です。東西自由通路に出店した三井住友銀行は、平日18時半まで営業する外国為替コーナーが目を惹きます。ドル、ユーロ、中国元やニュー台湾ドルはもちろん、タイのバーツ、スウェーデンのクローネまで扱っているから驚きです。
昭和通り沿いでは、ふぐで有名だった割烹「神谷」の跡地に、再参入したバーガーキングが出店を果たしました。すぐ先のマクドナルドとの競い合いが見ものです。またレム秋葉原の開業前の3月末に、老舗の秋葉原ワシントンホテルが全面改装に着手しました。2010年4月には、14階建て369室の新しいホテルが誕生する予定です。切磋琢磨して発展する古くて新しいアキバ、今後も要注目です。
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