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アキバ在住アナリストのブログvol.37             今年のロボット大賞〜秋葉原が目指すイノベーション(08年 12/25更新)  

アキバ在住アナリストの石原昇です。

2008年も残り1週間。今年の秋葉原は企業倒産や店舗閉鎖が相次ぎ、凄惨な事件も起きました。こうした暗い世相だからこそ、未来を拓く新しい技術やビジネスが熱望されます。その有力候補はロボットでしょう。年末の秋葉原はロボットに沸きました。

studio ASIMOのXmas企画はダンシング〜
studio ASIMOのXmas企画はダンシング〜

秋葉原は、ロボットに関連した学会やシンポジウム、アキバロボット運動会などのイベントが数多く開催され、ツクモROBOT王国、 KONDO ROBO SPOT、 アールティ などのロボットを専門に企画販売する企業やパーツショップが集積しています。秋葉原ダイビルには、ASIMOのレンタル拠点 studio ASIMO もあり、ロボットのメッカとして認知されています。

昨年、日刊工業新聞社から上梓した拙著「ロボット・イノベーション」では、日本の潮流である「少子高齢化社会と安全・安心社会への対応」、「技術の成熟タイミングの到来」、「産業立国再生の切り札」、「新しい文化とスタイルの創造」の4つを背景に、ロボットがイノベーションの担い手になることを主張しました。

ロボットによる新産業のビジネスモデルを探る
ロボットによる新産業のビジネスモデルを探る


本書で先端事例として紹介したロボットスーツ「HAL」は、この10月に筑波大学ベンチャーであるCYBERDYNE(株)の研究開発センターが完成し、福祉用のリース販売が始まりました。一般向けには、TXの秋葉原駅から約50分の研究学園駅近くのショッピングセンター「イーアスつくば」内にオープンしたCYBERDYNE STUDIOで見学することができます。この冬休みにご家族でいかがでしょうか。

ロボットやサイバニクスを展示・実演・体感
ロボットやサイバニクスを展示・実演・体感


師走の12月18日には、秋葉原ダイビルで、首都大学東京による「システムデザインフォーラム in 秋葉原」が開催され、午後のセッションで「環境・福祉・安全のための空間知−ロボット知能化のための新しい形−」の研究報告がありました。空間知は、人、環境、システム群(ロボット、センサ、機能デバイス等)の相互作用により構成される分散的情報空間であり、人あるいはロボットの能力の拡張をもたらします。社会環境への適用により、様々なハンディキャップをもつ個々の人間に適合した支援が可能となる基盤研究です。

「環境・福祉・安全」問題の同時解決を先導
「環境・福祉・安全」問題の同時解決を先導


同日には、今年で3回目となる「今年のロボット」大賞の発表があり、青山のTEPIAで表彰式が行われました。今年活躍したロボットのうち、将来への期待度が高いロボットを表彰する制度で、一昨年は富士重工業と住友商事による「ロボットによるビルの清掃システム」、昨年はファナックの「高速ハンドリングロボット」が大賞を受賞しました。

今年はサービスロボット部門が44件、産業用ロボット部門が5件、公共・フロンティアロボット部門が4件、部品・ソフトウエア部門が12件の総計65件の応募があり、そのなかから、以下の8件が優秀賞に選出されました。

・Omnibot17μ i-SOBOT「アイソボット」 (株)タカラトミー
・自動ページめくり器「ブックタイム」 (株)西澤電機計器製作所
・第10世代液晶ガラス基板搬送ロボットMOTOMAN-CDL3000D (株)安川電機
・ロボットを活用したエンジニア育成ソリューションZMP e-nuvo(株)ゼットエムピー
・食の安心・安全に貢献する田植えロボット 農業・食品産業技術総合研究機構
・組込型ロボットXR-G シリーズ (株)デンソーウェーブ
・能動スコープカメラ  東北大学、国際レスキューシステム研究機構
・超小型MEMS 3軸触覚センサーチップ  東京大学、パナソニック(株)

「今年のロボット」大賞2008の表彰式
「今年のロボット」大賞2008の表彰式


このなかから見事、大賞を受賞したのは、量産化に成功した世界最小の2足歩行ヒューマノイドロボットとしてギネス世界記録にも認定された「i-SOBOT(アイソボット)」です。大きさは、身長16.5センチ、重さ350グラム。日本の精密なものづくり技術を活用し、独自開発した17個の超小型サーボモーターを搭載することで、約200通りのアクションが可能です。単4型ニッケル水素充電池と充電器もセットされており、1回の充電で1時間以上動き、省エネも特徴です。これだけの機能を搭載しながら、従来の3分の1の3万円を切る価格で販売され、世界各国で5万台が普及しています。

開発グループリーダーの渡辺公貴さんとは、以前、秋葉原のCICOMオフィスでロボットの未来について意見交換したことがあります。アイソボットは、2004年11月から開発プロジェクトがスタートし、途中何度か中断しながらも、昨年10月の発売にこぎつけました。

わくわく・どきどきする、安価で壊れにくく、安全で取り扱いが簡単で、世界中に販売できるエンターテイメントロボットの実用化を目指したそうです。表彰式では、「アイソボットをきっかけに子供たちが優秀な開発者に育ってもらえれば嬉しい」と人材育成に期待するコメントが印象的でした。

しゃべりながらアクションをして音声認識も可能
しゃべりながらアクションをして音声認識も可能


秋葉原はロボットのメッカとして、知とノウハウが蓄積されており、セット・要素部品の開発のみならず、ビジネスの創出と人材育成に貢献する役割を担っています。過去3回の今年のロボット大賞の優秀賞に未だノミネートされていない警備ロボットの開発も積極的に推進したいところです。そのためには秋葉原の先端技術実証フィールドを活用した企業連携も必要でしょう。アイソボットは、タカラの技術力とトミーのマーケティング・開発力が結集したもので、合併後の初の製品だそうです。今年10月に誕生したサイコム・ブレインズも、人材育成の分野で統合効果を目指します。来年もどうぞ宜しくお願いいたします。

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