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アキバ在住アナリストのブログvol.45             ソフトパワーの発信〜秋葉原から世界へ(09年 11/4更新)  

アキバ在住アナリストの石原昇です。

10月の秋葉原はアニメ・コンテンツ系のイベントに彩られました。日本が誇るゲーム、アニメ、マンガ、キャラクターといったコンテンツ産業とその関連産業のイベントを連携した世界最大規模のJAPAN国際コンテンツフェスティバル(愛称CoFesta)の一環として展開され、中旬に、「JAM(ジャパン・アニメコラボ・マーケット)2009」、下旬に「秋葉原エンタまつり2009」が開催されました。

アキバ・スクウェアで開催された「JAM2009」
アキバ・スクウェアで開催された「JAM2009」

3年目となる「JAM2009」の展示では、NTTドコモのエヴァ携帯やローソンとのコラボ食品で話題を呼んだ「ヱヴァンゲリヲン」、お米や味噌などの地域密着商品を開発する「戦国BASARA」、鷲宮町の「らき☆すた」、上田市の「サマーウォーズ」などの地域活性化企画などが目を引きました。一連のシンポジウムも開催され、「その場で描きます!キャラデザイン40年史」では、超ベテランから新進気鋭の3人のアニメーターが、キャラクター創作の秘密とその実演を披露しました。

即興で描きながらのパネルトークに拍手
即興で描きながらのパネルトークに拍手


「アニメコンテンツの二次利用の現状と未来」と題したシンポジウムでは、2人のカリスマ経営者が登場しました。1人は、(株)ブシロードの木谷高明社長。山一證券出身で、16年前にコミケの熱狂を目にして、(株)ブロッコリーを創業し、その後に上場を成し遂げました。毎年大晦日の秋葉原では、ゲーマーズの店舗前でのカウントダウンが風物詩でした。2年半前に新たにカードゲーム専門のブシロード(株)を立ち上げ、わずか2年で売上高25億円、利益2億円の企業に育てています。

総武線の秋葉原駅ホームにカードショップを出店
総武線の秋葉原駅ホームにカードショップを出店


木谷氏とは20年来の友人であり、その深い洞察にはいつも刺激を受けます。彼いわく、香港や台湾などのアジアでは、毎日のように、若者がインターネットで日本のアニメにアクセスしていて、自然に日本語を覚えてしまっているそうです。その数は、もう1つの日本に匹敵する1億人規模に広がっており、世界でメジャーではない日本語が一気に普及し、日本のあらゆる産業にメリットをもたらす可能性があるというのです。こうした事実を指摘する人はほとんどなく、日本のアニメやドラマなどのソフトパワーの育成は国策として重要であると再認識させられます。

アキバ文化を牽引する起業家の両雄が対談
アキバ文化を牽引する起業家の両雄が対談


もう1人は、 (株)虎の穴の吉田博高社長。ソフマップのアルバイトから身を転じ、秋葉原でキャラクターグッズの取り扱いを開始し、今では秋葉原の中央通の本店を始め、全国13店舗に840名の従業員を擁し、売上高171億円、利益2億円を誇っています。私が講義する法政大学ビジネススクールの大学院生でもあり、アキバ仲間としても交流があります。今回のシンポジウムでは、突撃取材によるアキバの萌え系新スポットを紹介し、あらためてポップカルチャーの聖地を印象付けてくれました。

虎の穴の売上高は不況知らずの右肩上がり
虎の穴の売上高は不況知らずの右肩上がり


一方、恒例となった「秋葉原エンタまつり2009」は、10月下旬に9日間にわたり、「コミック・文庫まつり」「ゲームまつり」「アニメDVD・CDまつり」「Blu-rayまつり」「ホビーまつり」「地デジまつり」をまとめて実施し、UDX2階の大抽選会場には長蛇の列ができました。「Windows7」が発売された22日には、シンポジウム「デジタルを味方につけろ!ジャパンコンテンツ〜Windows7発売日に考えるコンテンツライフのこれから〜」も行なわれ、経済産業省、大学、マスコミ、IT、コンテンツ企業のパネラーが活発な議論を交わしました。

Windows7発売日にデジタル・コンテンツを討論
Windows7発売日にデジタル・コンテンツを討論


当ブログでも、度々(vol21「アニメ文化の発信拠点 〜 COOL JAPAN は AKIHABARA から」vol23「秋葉原は秋のイベントが目白押し〜エンタまつりやロボット運動会に沸く」vol41「手塚治虫のメッセージ〜生命・人間・平和・科学・未来」)取り上げてきた日本のアニメなどのコンテンツは、不況下にもかかわらず世界を席巻しています。今年7月にパリで開催された「第10回JAPAN EXPO」には、4日間で16万4,000人もの来場者が集まりました。出展は昨年の380社から大きく伸び500社に達したようです。日本古来の武道や書道、茶道など伝統文化を圧倒して、アニメ、マンガ、ゲームなどのポップカルチャーが大人気となっています。今年は「魔法騎士レイアース」などで知られる女性4人のマンガ家集団「CLAMP」のトークショーに4000人、アキバ発のアイドルグループAKB48の2回のライブに1万2500人が熱狂しました。

JAPAN EXPOのパリ会場(出典:アスキー総研)
JAPAN EXPOのパリ会場(出典:アスキー総研)


日本は国策として、現在約14兆円であるコンテンツ産業の市場規模を2015年までに約20兆円に引き上げることを目指しています。昨年7月には、経済産業省が「コンテンツ産業のアジア展開の促進に向けて −アジア・コンテンツ・イニシアティブの策定−」を発表し、今回、それを受けて10 月15日 、16 日の両日、アジア7カ国の官民コンテンツ産業関係者が一堂に会し「アジア・コンテンツ・ビジネスサミット2009 」を開催しました。各国のそれぞれの強みを持ち寄り、役割分担をしながら優れた才能を束ねることで、「メイド・イン・アジア」の作品事例を多くつくり出すことを目指し、共同宣言が発せられました。アジアコンテンツ市場の拡大、国際共同製作の推進、そしてプロデューサーやクリエーターに加えて知的財産権に関する専門家などの人材育成が盛り込まれました。グローバルに活躍する人材の育成はこの分野でも急務です。

アジア・コンテンツ・ビジネスサミットの参加政府機関
アジア・コンテンツ・ビジネスサミットの参加政府機関


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