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アキバ在住アナリストのブログvol.50            秋葉原協定〜歩行者天国のルール(11年1/28更新)

アキバ在住アナリストの石原昇です。

1月23日の日曜日、2年7ヶ月ぶりに秋葉原の歩行者天国(通称ホコ天)が再開されました。対象区間は、中央通りの万世橋交差点から外神田5丁目交差点までの570メートル。以前より230メートル、時間も1時間、短くなりましたが、10万人の人出で賑わいました。今後は、6月26日まで毎週日曜日の13時〜17時(4〜6月は13時〜18時)に試験的に実施されます。

万世橋交差点から始まるアキバのホコ天
万世橋交差点から始まるアキバのホコ天

ホコ天再開への道のりは、地元の大変な努力がありました。千代田区では2008年8月以降、「まちの魅力向上に向けた道路等の公共空間活用検討会」を設置して13回にわたり議論を交わしました。また2009年6月に、町会や電気街などで構成される地域連携部会「アキバ21」が組織され、19回の検討会、安全・安心キャンペーンの開催、そして24回にわたる防犯パトロールで延べ1000人が活動しました。

道路には50台(電気街等34台、神田末広町会16台)の防犯カメラを設置し、PHSを使って離れた場所にあるHDDに映像記録を蓄積するシステムをつくりました。こうして安全な街を確認した結果、昨年12月10日に都の公安委員会による決定が下り、今回の再開に至りました。こうした一連の議論の中で、「誰もが安全で安心してまち歩きができ、買物ができるまち」の実現に向けて、地域の人々や来街者が守るルールを決めました。それが昨年5月に発表された「秋葉原協定」です。

事前に配布された秋葉原協定のチラシ
事前に配布された秋葉原協定のチラシ


秋葉原協定では、「みんなで協力、安全・安心、元気なアキバ」を標語に5つのルールが掲げられています。

・路上喫煙はできません。
・道路は正しく使います。
・犯罪防止に努めます。
・まちの美観推進に努めます。
・近隣に配慮した営業を行います

また、今回の歩行者天国の再開にあたって、具体的に4つの禁止事項を求めています。

・物品販売禁止
・パフォーマンス禁止
・自転車走行禁止
・ティッシュ、チラシ配布禁止

告知用ティッシュもあったが、配布禁止のジレンマも・・・
告知用ティッシュもあったが、配布禁止のジレンマも・・・


日本で初めて大規模な歩行者天国が実施されたのは、意外にも旭川です。1969年8月6日(水)から17日(日)までの12日間、平和通りを開放して社会実験を行ったところ、普段の数倍の買物客で大盛況となりました。この反響をみて、翌年から全国に広がり、1973年6月10日には、銀座から秋葉原を経て上野に至るまでの5.5kmで、歩行者天国が実施されました。当時、これは世界最長だったそうです。この6月10日は「歩行者天国の日」に制定されています。

これに先立つ1958年、秋葉原近くの神田の東紺屋町で、日曜・祝日に道路を柵で仕切り、子供の遊び場として提供した遊戯道路が設けられたとの記録も残っています。遊戯道路の試みは、好評で各地に広がりました。秋葉原地区は「人優先の道」のさきがけといえそうです。

歩行者天国にはたくさんの人が訪れ、周辺の店舗の売り上げもアップします。また、いろいろな流行も生まれます。最初の旭川の実験では売り上げが36%も増加したと伝えられています。銀座ではマクドナルドのハンバーガーやカップヌードル、歩きながら遊ぶアメリカンクラッカーなどの新しい文化が誕生し、原宿は竹の子族やローラー族、ストリートパフォーマーの発信地となりました。

一方で、騒音やゴミなどのマナーの問題も大きくなりました。また、休日とはいえ道路の迂回により、地域によっては、近隣道路の慢性的な渋滞を引き起こすようになりました。秋葉原では渋滞問題はなかったものの、2007年頃から歩行者天国の雰囲気が急に変わりました。大騒音の路上ライブ、無許可のパフォーマンス、2008年には猛スピードの自転車走行やエアガンの乱射、自称アイドルの過激パフォーマンスが社会問題となりました。そして6月8日にあの事件が起きました。

今回のホコ天の実施にあたっては、秋葉原協定に則った歩行者天国のルールを徹底し、自主パトロールと警察で約70人の体制を敷きました。悪質な行為にはあらゆる法律で摘発も辞さないとの決意があったため、一部のコスプレマニアからは警戒が厳重すぎるとの声もありました。しかし、これまでの経緯を考えると止むを得ないでしょう。実際、ホコ天終了間際のドン・キホーテ前では、酒盛りをして、小六法を片手に違法条文の説明を警官に詰め寄るグループも目にしました。

ベルサール秋葉原前に設置された運営本部
ベルサール秋葉原前に設置された運営本部


アキバのホコ天はあくまでも6月までの試験的実施です。安全・安心の街の証として、また平和なアキバの象徴として、ルールを守り、みんなで継続する努力が必要です。

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