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コラム

2020.12.22

ひとりで働く、離れて働く。つかみどころのない不安をどうするか? ~リモートワーク環境下のマネジャーに必要なこと(前編)~

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小西 功二 Koji Konishi
小西 功二 サイコム・ブレインズ株式会社
ディレクター

「メンバーのセルフマネジメントをサポートする」という発想

では、上述のリモートシフトによる課題を、マネジャーはどのように解決すべきでしょうか。それは、メンバーのセルフマネジメントを、マネジャーがサポートすることだと考えています。

「セルフマネジメント」できていれば、メンバーは自身の業務の遂行や管理を、自主的・自律的に次々と意思決定し、迅速に行動していきます。リモートワークが個人業務中心である以上、セルフマネジメント力を身につける事は必須です。とは言うものの、経験やスキルの違い、課題の難易度や置かれた状況によっては、自分一人で解決できない、あるいは自分一人で解決にあたるべきでない場合もあるでしょう。メンバーひとり一人が自主・自律の度合を高める必要がありつつも、そのためには、マネジャーによるサポートが必要だということです。リモート下のマネジメントとは、セルフマネジメントのための指針・環境・仕組みを提供するということなのです。

もちろん、メンバーには経験豊富なベテラン社員もいれば、次期マネジャーを狙える中堅社員、仕事ぶりを見守る必要のある若手社員、独り立ちもままならない新入社員まで様々ですから、サポートの質と量には強弱が必要です。しかしながら、支援の度合いを高めに設定しなければいけない相手の場合も、その目的がセルフマネジメントであることは意識してください。

上手く回っている組織、すなわちメンバーが自主的に動いていながら組織としてのパフォーマンスが上がっている組織は、マネジメントを感じさせません。こうした状態は、自然発生的に生まれるわけではなく、従業員全体の行動、組織の文化として定着するまで、誰かが繰り返しマネジメントを実践し続けている結果と言えるでしょう。存在感を消しつつも、見えないところで確かに機能している。リモートワーク下で求められるのは、このようなマネジメントだと考えています。ではこのようなマネジメントをどのように実現すればよいでしょうか。後編ではマネジャーが実施すべき、具体的なアクションについて紹介します。

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