座談会

2021.11.05

自社へのオンボーディング、社会へのオンボーディング ―2022年の新入社員研修への展望(後編)

  • b! はてぶ
小西 功二 Koji Konishi
小西 功二 サイコム・ブレインズ株式会社
ディレクター

内製か?外注か?社内だけでなく社外との接点もデザインして社会人としてデビューしてもらう

  • 齊藤 彩
    「新入社員研修は内製でやっている」という企業も多いと思います。私も、前職では人事を担当していたのですが、配属前の研修は内製で実施していました。我々のような外部のコンサルティング会社が新入社員研修を請け負うことの意味についてはどう考えていますか?
  • 小西 功二
    新入社員にとって、新入社員研修とは、この会社ではどんな仕事をやっているのかを現場の人から語ってもらいそのリアリティを感じるための大切な機会です。この役割は社内の人間じゃないと担えないと思うんですね。一方で、社会人・組織人・ビジネスパーソンとして、身につけておかないといけない姿勢、マインド、コミュニケーションのスキルなどは、その道のプロフェッショナルに教えてもらった方が効率もいいし効果もあると思うんです。
  • 齊藤 彩
    そうですね。研修で、社内のルールや用語などを学ぶことももちろん大事だと思うんですけど、それと同時に世間一般で通用するルールや言葉も知っておく必要がありますよね。外部の人間であれば、研修によってビジネスで一般的な標準レベルにまで持っていってあげることができます。
  • 中澤 悠希也
    外の世界ではなあなあでは済まされない汎用的な知識を新入社員のうちから正しくインプットしておくことは大切ですよね。最初にしっかりと身に着けておくことで、社外とやりとりをするようになった時にも、武器として使うことができるのかなと思います。
  • 小西 功二
    あとは、内製での研修に限界があるとすれば、それは「どこまでいっても結局身内が話していること」という点なんですよ。その会社の中だけでは知り得ないこと、他の会社ではどうやっているのかについては、色々な会社を見てきた我々コンサルタントや講師だからお伝えすることができる。そこに価値があると思っています。また、講義の中で同じことを言われたとしても、外部のプロフェッショナルから言われるのと、社内の先輩に言われるのとでは、内容にもよりますが重みが違うと思うんです。受け取り方が変わってくる。
  • 齊藤 彩
    まさにOJT研修などでは、外部の人間から「世間一般的には新入社員をこんな風に育てているんですよ」「実は新入社員からこんな意見が出ているんですよ」と言われたほうが、受講者にとって刺激があり、納得性も高いと思います。人事から伝えると「ちょっとバイアスかかっているんじゃないの」と思われるようなことも、「外部の人間から見てこうでしたよ」と客観的に伝えることができると思います。
  • 小西 功二
    新入社員はこれから社会を知っていかなければならないわけで、社会とは何かというと、顧客、会社の外を知るということなんですよね。それは、会社の中の人に聞いているだけではわからなくて、生で触れる刺激なんかがとても大事です。我々も新入社員の頃を思い起こすと、初めてお客さんと相対する時に凄く緊張したじゃないですか。社会人になるってそういうことだと思います。そういう外との接点を含めてどういう風にオンボーディングの中でデザインしていくのかが、これからは求められる気がしますし、我々をその手段の一つとして活用してもらいたいなと思います。
小西 功二 氏、齊藤 彩 氏、中澤 悠希也 氏

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