アキバ在住アナリストのブログアキバの歳時記2017年
~AI時代の人づくりとモノづくり

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コラム

2017.12.28

石原 昇
石原 昇サイコム・ブレインズ株式会社
監査役
アキバ在住アナリスト

アキバ在住アナリストの石原昇です。

2017年は、ディープラーニングが進化したAI(人工知能)が本格的に普及し始めました。テレビや雑誌も軒並みAIをテーマに取り上げ、AIベンチャーの上場が注目されました。アキバ界隈でもAI時代の人づくりやモノづくりに関連する会合が目白押しでした。伝統の年中行事も大賑わいだった新旧のアキバの1年を振り返ってみましょう。

【1月】
19日、秋葉原ダイビルの5階カンファレンスルームで、第1回医療オープンセミナーが開催されました。専門の医師や技術者が登壇し、広く普及している超音波診断装置の有用性や展望が議論されました。画像診断の分野では、今後はやはりAIの活用が鍵を握るとの意見で一致しました。

【2月】
9日、秋葉原ダイビルのコンベンションホールでは、「つくば産産学連携促進市 in アキバ」が10回目の節目の開催となりました。「未来へつなげる防災科学~最新防災テクノロジー~」をテーマに、防災科学技術研究所や産業技術総合研究所から研究報告がありました。防災分野でも今後はAIやロボットの活用が重要になってくることを実感しました。

【3月】
9日、秋葉原コンベンションホールでは、「Brighten Up Ventures 2017」が開催されました。JSTによる大学発新産業創出プロジェクト(START)の報告会の1つで、今回はIoT分野の技術シーズ選抜育成プロジェクト9件が採択されました。学生や若手研究者が考えたIoT分野のアイデアを、メンターが選抜、育成し、試作品を製作して事業ビジョンを投資家にプレゼンし、事業化につなげることを目指しています。ヘルスケアやモビリティ、デジタルデータのIoT活用が披露されました。

【4月】
桜が咲く1~2日に、ベルサール秋葉原では、「dancyu祭in秋葉原」 が開催されました。あのグルメ雑誌danchuの誌面を飾った人気店が集結し、和食、イタリアン、中華、カレー、スイーツなどの名物メニューの前に長蛇の列ができました。同時に豪華講師陣による「dancyuの學校」も4講座が開かれ、食いしん坊にはたまらない週末となりました。

【5月】
中旬に、2年に1度の神田祭・本祭りが催行されました。13日は下町を巡行し、祭礼絵巻を繰り広げる神事のメイン、神幸祭でした。早朝から御鍵渡しの儀、続いて出発を告げる発輦祭(はつれんさい)には、多くの人々が参列し、祭りの無事を祈願しました。

【6月】
IT基盤型先端技術による産業の創出と再生を目指すアキバテクノクラブ。秋葉原ダイビルの産学連携フロアに入居する機関がメンバーとなり、相互交流と情報発信などの活動を2005年から精力的に続けています。8日開催のオープンセミナーは、通常の先端技術とは対照的に、伝統芸能を楽しむ会として、落語と能の豪華なプログラムを堪能する一夜となりました。

【7月】
今年、大フィーバーとなったパンダのシャンシャン。前月の誕生を祝い、22日開催の「うえの夏まつりパレード」では、秋葉原から上野へ向かって、お祝いの幕を掲げたバスが走りました。年末には、高倍率となった抽選による一般公開とともに、おかちまちパンダ広場にスケートリンクが開設されました。

【8月】
初旬のUDX夏祭りの一環として、今年は「みんなでつくろう手作り教室」 が開校しました。全部で4コース、「3Dプリンターでミニロボットを作ろう!」「磁石と電池であそぼう電子工作体験!」「電気街の中心で電子工作&IchigoJam体験!」「電源いらずの傘ラジオをつくろう!」。大人も子供も参加するアキバならではのイベントでした。

【9月】
20日、ベルサール神田で、「AI生産性革命の波に乗れ!」と題して、先進企業からプレゼンがありました。新商品や新サービスの開発から、製造、物流、営業、働き方まで、企業活動の全てを変えるAI生産性革命が既に始まっていることがケーススタディーを通して明らかになりました。

【10月】
25~27日、御茶ノ水ソラシティで、「eラーニングアワード2017フォーラム」が開催されました。4省庁による基調講演やキーパーソンサミット、受賞者講演など150以上の講演に10,000名を超える聴講者が参加し大盛況でした。サイコム・ブレインズからは、日本イーラーニングコンソシアム理事でもある川口泰司取締役が3日連続登壇し熱弁をふるいました。

【11月】
5日、「私立中高進学相談会 in 秋葉原」がUDXギャラリーで開催されました。100校近い参加校ごとにブースが設けられ、各校の教師と直接話ができることが好評です。教育改革2020が叫ばれ、新学習指導要領の実施が間近に迫るなかで、子供以上に親御さんの真剣さが漂っていました。

【12月】
9~10日、UDXギャラリーで、日本最大級のハッカソンといわれる「Yahoo! Japan Hack Day」が10周年となる記念開催となりました。300人以上のクリエーターが集結し、プレゼンはニコニコ生放送で中継されました。また16日には、秋葉原コンベンションホールで、ハードウェアコンテストの「GUGEN2017」が開催されました。「見て、聴いて、触って、楽しむことのできる体験型展示会」には69作品が並びました。こうしたチームでアイデアを競うコンテストが新しい商品や事業を生み出す原動力となっています。

年の瀬に政府が発表した新しい政策パッケージは、「人づくり革命」と「生産性革命」が両輪となっています。来たる2018年は、人材やAI・ロボットなど設備への投資を大胆に促し、日本経済の生産性を飛躍的に押し上げる予算が執行されます。アキバのAI時代の人づくりとモノづくりの取り組みは益々注目されることでしょう。

  • 石原 昇

    石原 昇サイコム・ブレインズ株式会社
    監査役/アキバ在住アナリスト

    横浜市立大学大学院修了、経営学修士。野村総合研究所のシンクタンク部門で電気通信自由化や最適物流システム構築などの政策提言に従事。主任研究員を経て、野村證券金融経済研究所で総合電機・半導体アナリスト兼グローバル・エレクトロニクスグループ・リーダーを務める。2004年にサイコム・インターナショナルに参画。2008年10月のサイコム・ブレインズ株式会社設立とともに現職に就任。著書に『経営分析・日本のトップカンパニー』、『フラッシュメモリビジネス最前線』等、監訳書に『イノベーション・パラドックス』等多数。