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2017年11月21日report
タイ人ビジネスパーソンのための異文化適応トレーニング
公開講座 レポート
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サイコム・ブレインズUBCLでは、去る2017年11月21日(火)に、「タイ人ビジネスパーソンのための異文化適応トレーニング 公開講座」をバンコクにて開催しました。

本講座は、タイ人が、日本人の上司、同僚、顧客との間で生じる誤解や摩擦の要因となる「日本人との文化的な価値観の違い」を理解し、より良いコミュニケーションをとるための手法を学ぶことを目的としています。カリキュラムは「文化と経営」の分野における世界的権威であるホフステード教授の実証研究に基づく理論/フレームワーク「6次元モデル(※1)」を基に、日本人と働くタイ人向けにカスタマイズして構成されており、講師の体験談を中心に構成される異文化理解の研修とは一線を画する内容となっています。

本講座では、まず「文化とは何か?」を改めて正しく理解し、考え方の軸となるフレームワーク(6次元モデル)を学びます。そのうえで演習や、リアルな状況設定を題材にしたロールプレイを通じて、どのようにビジネスの現場でモデルを応用するのかを具体的に学び、使えるスキルとして習得してゆきます。

講座の受講者は、クラス内で、自分自身の文化的価値観を数値化して検証することができるアセスメント「カルチャーサーベイ(※2)」を受診します。

担当講師は、横浜市立大学の大西教授です。大西教授はタイを含む東南アジア各国での駐在員としての経験やタイ国立マヒドン大学経営大学院(CMMU)での5年にわたる教鞭経験があります。異文化マネジメントに関する多数の講演の実施や研究論文の発表、書籍の出版など、この分野における知識&経験が豊富で、タイ語も堪能なうえ、ホフステード博士認定機関(Hofstede Insights)による専門的なトレーニングを修了しているエキスパートです。

クラスの風景

クラス当日は、参加者の人数がやや少なめだったこともあり、講師との距離感の近い、和やかな雰囲気でクラスは進みました。午前中は、タイ人と日本人の文化的価値観の違いについて、国民文化を形成する地理的・歴史的要因や宗教的・教育的・言語的影響などの切り口による解説の後、ホフステードの6次元モデルを使って、国ごとに異なる価値観の差異を数値の差として客観的に認識し、数値の差がもつ意味合い、すなわち、異文化コミュニケーションに及ぼす影響を理解してゆきます。午後は異文化アセスメント「カルチャーサーベイ」をクラス内で受診して、自分自身の価値観も客観的に把握してゆきます。さらに、日本特有の文化的価値観が反映された行動例としてあいさつの仕方や名刺交換の仕方を実演したり、グループワークやケース分析を通じて日本人の価値観に対する理解を深め、「ホフステードの6次元モデル」を自身の職場で使えるスキルとして習得してゆきます。



クラスの序盤は控えめな雰囲気だった受講生も、ディスカッションや演習を通じて互いのことがわかるようになると、活発な意見交換が行われ、日ごろから抱いていた日本人に関する様々な疑問や課題が共有されました。

例えば、

  • ・どうして日本人は沢山の会議を開くのか
  • ・なぜ日本人は夜遅くまで一生懸命になって働き、そして規律正しいのか


こうした質問に対し、大西講師は、ホフステードの理論と自身の研究成果を基にしたアドバイスを、事例などともに提供してゆきます。

1日を通して、講師が受講者に質問を投げかけながらホフステード理論への理解を促す様子と、異文化コミュニケーション、特にタイ人と異なる価値観をもつ日本人の言動をどのように理解し、自身はどのような点に気を付けてコミュニケーションをとってゆけばよいか、などについて、学んだ知識を職場でしっかりと活用しようと熱心に演習やグループワークに取り組む受講者のみなさんの様子が事務局スタッフとしてとても印象に残っています。このコースで学んだ「異文化理解と適応」の基礎をこれからの日本人とのコミュニケーションのなかで実践し、ぜひ職場の生産性の向上に繋げていっていただきたいと思います。

最後に、今回のご参加者のアンケート結果をご紹介しますのでご覧下さい。この機会に、より良い異文化コミュニケーションによる業務効率の改善のために、このトレーニング・プログラムをご活用いただければと存じます。なお、次回は2018年3月中旬の開催を予定しています。講座当日、皆さまにお目にかかれるのを楽しみにしています。

※1)ホフステードの6次元モデルとは

異文化と組織文化研究の世界的権威であるヘールト・ホフステード教授が、国別の文化の違いを分類・スコア化したものです。6つの次元(切り口)から国民の文化を分析し、各国の平均的傾向を数値化することで、各国の相対的位置づけを把握することができます。当モデルは、IBMの社員(72か国・11万6千人)を対象に同教授が行った調査およびその後の長年の研究・理論がベースとなっています。

※2)カルチャーサーベイとは

「ホフステードの6次元モデル」をベースとしたセルフアセスメントです。このアセスメントによって、自分自身の価値観を客観的に把握することができます。診断結果によって、価値観の違いにより起こりうる問題を把握することができ、スタッフ、取引先、顧客など、ビジネスでより良い関係を構築する手がかりを得ることができます。


担当講師のプロフィール

HisaeKawashima

大西 純Professor Dr. Jun Onishi
公立法人横浜市立大学 学術院 国際総合科学群 経営学コース教授・経営学博士

オハイオ大学、青山学院大学卒業後、ニコン、大和証券、リョービに通算20年ほど勤務。ニコン在職時にシンガポール、香港に駐在。その後起業し、タイを拠点に貿易業を営む。仕事の傍らチュラロコーン大学、タマサート大学で修士号を修得し、アジア工科大学院で国際ビジネスの博士課程(Ph.D. international business)を修了した。その後、タイ国立マヒドン大学経営大学院で起業学科長を5年勤めたのちに帰国し、国立大学法人弘前大学で国際交流センター長を務める。2013年より公立大学法人横浜市立大学国際総合科学部経営学コース教授に就任し現在に至る。専門は人的資源管理で研究の中心はアジアに進出している日系企業における現地人と日本人管理職との職場でのトラブルを「職場摩擦」と名づけ、その原因と解消法を緻密な現地調査に基づいて明らかにすることである。これまでに60本以上にわたる論文、学会発表、講演があり、異文化マネジメントの専門家として活躍。日本語、英語、タイ語、スペイン語で講義を行うことができるポリグロットである。主な著書に「タイ駐在のためのタイ入門」「Working Japanese in Southeast Asia」等がある。異文化マネジメントの分野で世界的に著名なヘールト・ホフステード博士の理論を活用した異文化理解と適応トレーニングをデリバリーする資格であるHofstede Insights講師認定コースを修了。

参加者プロフィール

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参加者の満足度

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参加者の声

当日実施したアンケートで頂戴した受講者の声(抜粋)をご紹介します。

Q.参加の理由
  • 勤務先からの勧め。
  • 日本人との働き方について知りたかった。
  • 日本文化、日本人の考え方を理解したかった。衝突することなく協働できるよう学んだ知識を同僚と共有したいと思った。
  • 日本の文化を理解し、日本人とより良い関係性をもって働くため。
Q.参加後の感想
  • 日本人の職場での行動、彼らの考え方や、同じ組織でどのように協働すべきかを理解することができた。今日学んだことは、自身の職場での生産性(パフォーマンス)を上げることに大いに役立つと思う。
  • 今日学んだことを、日本人との間に生じる誤解や衝突を減らすために、職場の同僚や部下と共有したい。
  • 日系企業でよりスムースに日本人と働くためにとるべき行動について学ぶことができた。日本人のタイ人に対する態度の理由を知ることができたことで、以前よりも日本の文化と日本人の考え方についてしっかりと理解することができた。
  • 日本の文化的価値観を学び、彼らの考え方を理解することができた。
  • 実施時間はもう1時間くらい長くても良いので、受講者が意見交換できるようなアクティビティがもう少しあっても良い(1つ1つに十分なディスカッションができたが。)

異文化におけるコミュニケーション上のリスクをマネジメントする

サイコム・ブレインズでは、グローバルに活躍する人材に必要なスキルを以下の3つと定義しています。

  • ・担当する職務領域における高い専門性(=プロであること)
  • ・コミュニケーション力
  • ・異文化への適応力


これらの中でも、円滑にビジネスを進めるために“異文化への適応力”が非常に重要であると考えています。

各国の価値観と本人の価値観の“差異”から生ずる「コミュニケーション上のリスク」は数値化が可能です。リスクの程度を数値化して客観的に認識すること、そうしたリスクをマネジメントするノウハウをフレームワークに落とし込んで理解し、対処法を学んでおくことは、事業のグローバル展開とビジネスの成功を目指すための、即効性のあるソリューションであると弊社は考えています。

サイコム・ブレインズUBCLでは、2018年度もこうした公開講座を定期的に開催し、在タイ日系企業で働く皆さまを積極的にサポートしてまいります。

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