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イベントレポート

2022年12月20日開催オンラインセミナー「脳の仕組みを理解すると効果が変わる!脳科学的英語学習のすすめ」 これからの英語学習はどう変わる?脳の仕組み理解して社員を自立した英語学習者にする

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2023.03.31
加藤 円 Madoka Kato
加藤 円サイコム・ブレインズ株式会社
シニアコンサルタント

去る2022年12月20日、サイコム・ブレインズでは「脳の仕組みを理解すると効果が変わる!脳科学的英語学習のすすめ」をテーマとしたオンラインセミナーを開催いたしました。今回は、SLA(Second Language Acquisition:第二言語を習得するプロセスを科学的に解明する学問のこと)の研究結果を引用しながら、主に脳科学に関わる記憶のメカニズムから、効果的な英語学習について解説をしていきました。

イベント概要

企業が求める人材:英語をツールとして活用することは当たり前の時代に

第二言語習得(SLA)とは

自動翻訳ツールの精度が飛躍的に向上している昨今、「英語力は今でも必要なのか?」という疑問がよく投げかけられるようになりました。しかし、企業が人材に求める能力は今、「変化や多様性に“柔軟”かつ“迅速に”対応し、問題を解決していく力」に変わってきています。人種や文化の多様性を理解し、様々なバックグラウンドの人と円滑にコミュニケーションを行うためには、むしろ、英語をツールとして当たり前に使いこなすことが求められているのではないでしょうか。

ビジネスではリアルタイムの反応が求められ、さらには人の感情に働きかけることも重要です。そのためには、やはり自身の言葉で話す必要があり、翻訳ツールだけでは不十分でしょう。今後どのような技術が発展するかはわかりませんが、現在のところは、英語でのコミュニケーション力は、パソコンスキルと並ぶ必須ビジネススキルと言えます。

今回のセミナーには、企業の人材育成ご担当者様の他、事業部門や海外拠点からも多数の方々にご参加いただきました。皆さまからいただいた質問の内容からは、グローバル人材育成の施策としてのみならず、ご自身の関心や課題感からご参加くださった方が多いことが伺え、それだけ「いかに英語を習得するか」が多くの方にとって引き続き課題であることを実感しました。

記憶のメカニズムを知ることで英語学習が変わる

まず、セミナー冒頭では、脳科学、特に第二言語習得に関連の深い「記憶のメカニズム」についてご紹介しました。皆さまには、“What do you do?”,” What’s your occupation?” などのフレーズを例に、その意味を人々が考え記憶する過程で、脳の中ではどのような処理が行われているのかについて解説しました。

記憶のメカニズム〜記憶の種類〜

記憶には複数の種類があり、その種類ごとに脳の中でどのように整理され格納されるのか。また、記憶に対してどのように脳内で検索をかけて情報を取り出す(思い出す)のか、といった記憶の仕組みについて詳細にご紹介しましたが、このような脳科学的な知識を持っておくことは、英語を習得する上で武器となります。

例えば、「リスニングにおいて、全く意味が頭に入ってこない」「スピーキングにおいて、単語が口をついて出てこない」といった、英語学習で陥りがちな状況についても原因の分析が可能になり、問題解決に効果的なアプローチを検討することができます。

セミナーでは、英語のリスニングにおいて、耳にした情報を保持・処理するときに用いられるのが、作業記憶(ワーキングメモリ)であること。さらには、このワーキングメモリには容量が決まっているため、音声を判定する(音声知覚)・意味を考える(意味理解)のいずれかの処理に容量をとられすぎてしまうと「音声の意味が頭に入ってこない」「次に流れてくる音声が聞こえない」という現象が起こることをご紹介しました。

ワーキングメモリを節約するには、情報処理の「自動化」、すなわち、音声知覚・意味理解といった情報処理において、記憶のデータベースから自動的に情報が送信される状態にしていくことがポイントです。この自動化を実現するための学習方法の例についても、セミナー中、2つほどご紹介しました。

リスニングの場合:英語を英語で理解する?

会社の役割は社員の英語学習における自立を支援すること

今回このテーマを取り上げた背景には、学習環境の変化があります。オンラインレッスンや動画、情報検索サイト、SNSなど、個人学習用の様々なツールが溢れる中、他者から与えられる学習機会を受け身で待つだけでは、必要なスキルを身につけることが困難な時代になってきました。今後は、自身に必要な情報やツールを見極め、選択していく力が求められるようになりますが、これは英語学習においても同様です。自分が目指すべき姿、そのために必要なスキルと現状のギャップを分析し、具体的な対処方法を見出せる方が確実に成果を出すことができます。その中でも特に課題分析において、今回ご紹介したような脳科学的知識が大いに役立つと考えています。

英語学習を自己研鑽に位置づけている企業も多いことと思います。確かに、学習の時間・量、両方の確保が英語学習には必須ですから、社員本人が取り組まないことには英語力は上がりません。そこで、会社の役割は、社員が自立して英語学習を進められるようになるための知識や支援を提供することではないでしょうか。

学習の個別化が進むこれからの時代に求められる、英語学習への向き合い方として、「英語の学び方を学ぶ」機会を提供することの重要性を感じている方は、是非サイコム・ブレインズのコンサルタントにご相談ください。

社員の英語力向上に必要な支援
  • 加藤 円 Madoka Kato

    加藤 円Madoka Katoサイコム・ブレインズ株式会社
    シニアコンサルタント

    大学卒業後、児童英語講師、高校非常勤英語講師、留学コンサルタントを経て当社へ入社。シニアプランナーとして、英語基礎力強化、TOEIC対策研修、スピーキング力強化研修などの企画、教材開発、研修クオリティー管理、講師マネジメントに携わった。現在はシニアコンサルタントとして活躍中。オーストラリア、イギリス、アメリカの滞在経験から、英語をコミュニケーションツールとして、様々な国の人とディスカッションすることのおもしろさと難しさを実感する。自分の経験を生かして、英語学習についての悩みを共有することで、グローバルな環境で活躍する受講者の応援をしたいと考えている。

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