<サイコム・ブレインズ公開講座>次世代戦略人事リーダー育成講座 受講者インタビュー

 

「次世代戦略人事リーダー育成講座」
受講者インタビュー

講座が進むにつれてディスカッションもさらに深まって、
自分たちの進化を感じることができた。

北川 様

北川 様

大手金融機関人事本部 クライアントHRマネージャー。会社のファイナンスとIT部門の担当人事(HRBP)として、将来の会社の方向性を見越して、数年後の組織にとって必要となる人材の要件の定義や、それに向けた人材の採用、育成、異動といった人事業務全般を行っている。

『次世代戦略人事リーダー育成講座(第2期)』を受講した北川さん。小さなお子様がいてオン・オフともに多忙な中、率直かつ本質をついた発言と明るい雰囲気で講座を盛り上げてくださいました。本講座を受講したきっかけ、ケーススタディやプロジェクトワークのご感想、その後のお仕事への影響などについてお話をうかがいます。

「きれいな言葉」でおさまらない、本気のインタラクションができた。

  • 受講当時すでにHRBPのポジションでまさに「戦略人事」を実践する立場にいた北川さんですが、本講座を受講した理由は何ですか?
  • HRBPの業務について約1年経ったころに子どもが生まれ、育休に入りました。1年後職場復帰してからは、短時間勤務等にはせずフルタイムで働いてはいるものの、子どもがいないときと生活は一変し、日々の業務に追われるという状況に陥りました。そのとき「自分の業務としっかり向き合って考える機会を持ちたいな」と思ったのがきっかけで本講座の受講を希望しました。業務に入り込んでしまうと、そういう時間はどうしても取りにくいので、仕事以外の場で日常の業務から少し俯瞰したかたちでビジネスケースを読んだりすることを通じ、自分の役割を見直したいと考えました。
  • 経営戦略や事業戦略のビジネスケースを使った議論では、何か新しい発見はありましたか?
  • 私の所属する組織では昔から戦略人事ということが言われていて、「ビジネスの成長と人事の施策をリンクさせることが大事だ」ということは頭では理解していました。実践するために努力してきたつもりではおりましたが、この講座で参加者の皆で議論をし、ファシリテーターから経営や株主の視点で鋭い突っ込みをしていただいたことで、自分が如何に人事の側だけの目線になっていたことに気づかされました。

    戦略人事という言葉は“バズワード”的な感じで捉えられてしまう向きもありますが、「会社が何を生業とし成立するのか」ということを真剣に考えることができたのはすごくよかったなと思います。

  • 北川さんの場合、ファシリテーターとして直属の上司の方が登壇していましたね。
  • 上司に関しては、いつもと同じメッセージでも違うアプロ―チで表現してもらったので「あ、なんだ。そういうことを言いたかったのね」という場面があって、「会社でもそういうふうに言ってくれたらいいのに」と思うこともありました(笑)。LIXILの八木さんや他の方についても、本や講演ではどうしてもきれいな言葉におさまりがちなところがありますよね。でも直接議論することで本当のところがわかるというか。そういうインタラクションを通じて本当の意味を感じて理解することがやっぱりすごく大事だなと思いました。
  • 様々な企業から参加する人事の方々とのインタラクションはいかがでしたか?
  • 皆さん自分のことに引き寄せて、しっかり考えたうえで意見をぶつけあっていましたね。他の講座だと、学んだセオリーに対して自分の理解を確かめるような質問はしますが、この講座の場合は、結構ヘビーな予習が必須で課されているので、皆が単に理解するところから一歩進んで、自分に置き換えて考えたうえで講義に臨んでいる感じでした。それをベースに、メンバーどうしのディスカッションはもちろん、講師に対して意見をぶつけていて、そのやりとりが講座の各トピックに対するより深い理解を促進していたと思います。そういう意味では予習が鍵になっている感じでしたね。
  • ケーススタディを読んで設問に答える予習ですね。ある程度時間が必要なのでご負担もあったかと。
  • 単にケースを読んでくるだけでなく、自分の考えを紙に書いて、提出しなければならない。書くとなると一生懸命書くので、とても大変でした。でもそのプロセスがすごくよかったと思います。自分の知っているコミュニティの、しかもちょっと上司っぽい立場の人たちに「こいつアホか?」みたいに思われるのも嫌だから、みんな真剣に考えていました。そのプロセスがあったからこそ、ちょっと違う次元でものごとを考えられたというのはあると思います。

プロジェクトワークのメンバーは、「壁打ち」をする相手。お互いにとって「いいレベルの壁」だった。

  • プロジェクトワークは講座の時間外で取り組んでいただきました。そのあたりの大変さはありましたか?
  • 会社で成果を評価されるようなプロジェクトと違って、誰に評価されるわけでもないのに、やり始めると皆気になってしまって。「終わったら皆でご飯を食べて帰ろう」と言っていたのに、夜の11時とか結構遅くまでディスカッションしていたこともありました。講座自体が進むにつれて、プロジェクトワークのディスカッションの方もさらに深まって、自分たちの進化を感じることできました。そこはすごく面白かったですね。プロジェクトのメンバーは、普段なら「壁打ち」するしかなかったことを、生身の人間相手で練習できるような感じでした。変に遠慮せず、思いっきり打てるという意味では、むしろ壁打ちの壁なのかもしれないくらいで、こんな言いかたもおこがましいですが、お互いにとっていいレベルの壁だったと感じています。
  • 北川さんのグループは「コーポレートカルチャー」がテーマでしたね。実際にどのようなアプローチでプロジェクトを進めましたか?
  • いろんな会社の情報を収集して、それぞれの会社が世間に認識されているカルチャーになった過程をいろんな軸で分析しました。本や論文を探してきて皆で回し読みもしました。またメンバーどうし、お互いの会社の事業についてシェアしながら、「だからこういうカルチャーにつながってるんだね」といった話もできました。こういう話って、会社の同僚ともしないじゃないですか。だからその機会が持てたことですごく勉強になったし、視点が深まり、高まり、広がる、そういう感じでした。
  • プロジェクトワークを通して「何かこれは得たぞ」というものがあれば教えてください。
  • コーポレートカルチャーを変えることは、人事の、それこそHRBPの仕事の大きな一つの役割ですが、カルチャーって本当に空気みたいに見えないものじゃないですか。それを変えるってどういうことだろうと思っていたのですが、過去の業務を振り返ったり、人の仕事の成果を分析したりすることによって、「何がドライバーで、何を動かすと、どういう成果があらわれるか」という勘どころみたいなものが得られたと感じています。グループメンバーの会社に、テーマとは全く別の業務上のことで、同僚も連れて相談に行き、会社を見学させてもらったりもしました。新たな人間関係ができたので、そこもよかったなと思っています。

講座で得られたいくつかのエッセンスを実際に試してみたことで、担当部門にインパクトを与えることができた。

  • 講座を終えて、その後具体的なアクションにつながったことはありますか?
  • 具体的には成人学習/成長促進に関するトピックなのですが、北海道大学の松尾先生のお話や、プロジェクトメンバーの方が実践していたことを参考にして、担当部門のみんなに「ストレングスファインダー※」をベースとしてインサイトを与え合うセッションを実施しています。すごく好評で、カルチャーチェンジにつながったかな、と思えるような成果が得られました。

    私たちの会社の中で、「インサイト」を与え合うという取り組みをしているのですが、インサイトというのは、フィードバックよりも前向な意味で、「look forward」というニュアンスなんですね。いいことも悪いことも、きちんとフィードバックしてあげるというのが個人の成長のためには非常に重要で、ひいてはそれが会社の成長にも繋がる、という考えに基づいています。その取り組み自体はとても素晴らしいことだと思うのですが、成長に繋がるインサイト、特に改善点について前向きに与え合うことの難しさを感じていました。

    そんなことにもやもやしていたとき、プロジェクトメンバーから、「部下とのマンスリーミーティングにおいて、出来ていないことを“出来ていないこと”として伝えるのではなく、“期待”として伝えるシートを作って手渡ししている」ということをシェアして貰いました。そこから着想して、「ストレングスファインダー」の結果を皆でシェアした後に、抽出された5つの強みに対して「既にその人の強みとして発揮されている要素」と「まだ強みとして発揮できていない要素」「本当の強みとしていくために改善したらよいこと」をシートに書いて手渡す、というアクティビティをしたんです。そうしたら、ラブレターみたいに相手のことを思ったコメントがたくさん集められて。周囲が自分のことを自分よりわかっているという感動にも似た感覚が持てたり、具体的にどう改善していけばよいかがわかったり、その後の行動変容にもつながりました。参加した皆からは「すごく良かった」と言って貰えましたし、講座で得られたいくつかのエッセンスを自分で試してみたことで、実際に担当部門にインパクトを与えることができたのはとても嬉しかったです。

    ストレングスファインダー
    アメリカのギャラップ社による診断ツール。「人は自分の弱みを改善するよりも、自分の強みに意識を向けそれを活かすことで最大の能力を発揮する」という考え方に基づいており、177個の質門に回答することで自分の強みの源泉となる才能を客観的に見える化することできる。

「何か新しいことをやってみたい」けど「モヤっとしている人」の方が、掴みたいものをより明確に得られるのでは?

  • 今年で3期目となる本講座ですが、ご自身の経験からどんな方にお勧めしたいですか?
  • 今までのやり方だともうひとつ「Leap(飛躍)」が感じられない、情報を収集したり学びの機会は得ているんだけど「私は何か変われているのかな?」という気持ちを持っていて、ちょっとモヤッとしている人にとっては、時間もお金もいろんな意味でいい投資になるのではないかなと思います。予習やプロジェクトワークもあるのでプレッシャーもありますが、そういう中で切磋琢磨することによって、変われるものがあると感じました。

    第2期は「新しいこと、おもしろいことをやってみたい」「何か仕掛けてやろう」と思っている人が集まっていた気がします。そういう人が集まると相乗効果でいろいろな新しい境地に導かれる感じがして、そこがこの講座の醍醐味なんじゃないかなと思います。人事に関してたくさんの経験がある必要はなくて、モヤッとしたものがある人の方が、自分がつかみたいものをより明確に得られるんじゃないかなと思います。