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戦略人事/HRBP3人の人事パーソンが本音で語る、人事の現在地と未来(前編)

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座談会

2018.05.22

江島 信之 Egima Nobuyuki
江島 信之サイコム・ブレインズ株式会社
ディレクター / シニアコンサルタント

戦略人事という人事のあり方が「論」として広く認知された今、今後は個々の人事パーソンが現場を巻き込みながらそれを具現化していくことが求められています。またHRBPの導入やHRTechの活用が進むなど、人事の具体的な役割や日々の業務のあり方にも大きなパラダイムシフトが起こりつつあります。そのような中で、これからの時代に向けた人事のロールモデルを自社の中に見出すことが難しい、というのも人事パーソンの悩みどころの一つではないでしょうか。今回はサイコム・ブレインズの「次世代戦略人事リーダー育成講座」の卒業生3人に、それぞれの企業における現状の課題や取り組み、そして今後ますます進展するであろう、人事におけるテクノロジー活用についてお話を伺います。

  • 岡部 峰之 氏

    GEヘルスケア・ジャパン株式会社
    人事本部 シニアHRマネージャー
    (組織・人材開発担当)

  • 水越 亜樹 氏

    アステラス製薬株式会社
    人事部 組織人事グループ 課長

  • 佐藤 拓也 氏

    カルビー株式会社
    人事総務本部 人事総務部

  • 江島 信之
    (進行役)

    サイコム・ブレインズ株式会社
    ソリューションユニット
    シニアコンサルタント

悩みや課題を共有できる仲間が社外にいる、という心強さ

岡部 峰之 氏
GEヘルスケア・ジャパン株式会社 岡部 峰之 氏
  • 江島 信之
    サイコム・ブレインズ江島です。
    本日お集まりいただいた岡部さん、水越さん、佐藤さんは、当社が毎年開講している「次世代戦略人事リーダー育成講座」の卒業生です。この座談会では、現場で活躍されている人事の方が今どんなことを考えているのか、現在の課題や将来に向けたビジョンなど、ざっくばらんにお話しいただきたいと思います。まずは皆さんから自己紹介をお願いします。
  • 岡部 峰之
    GEヘルスケア岡部です。
    大学卒業後にパナソニックに入社し、最初の9年間は主に事業部門の人事として開発、製造、販売部門を担当しました。その後、海外トレーニー制度に応募し、ブラジルのサンパウロに2年間駐在して、中南米地区の人材をどう育てるかとか、人事制度をどう変えていくか、というところを現地の人たちと一緒にやっていました。帰国後は携帯電話部門の人事を担当して、2013年の5月にGEヘルスケアに入社しました。営業部門の人事、そして組合との交渉など労務関係の仕事を経て、現在ヘルスケア全体の組織・人材開発を担当しています。
  • 水越 亜樹
    アステラス製薬水越です。
    旧藤沢薬品工業に入社して、最初の10年間は医薬品の開発をしていましたが、突然人事部に異動になりました。異動後は1年足らずでアメリカに2年間出向して、日本人駐在員のサポート、それに加え現地におけるダイバーシティのプロジェクトに参加して、立ち上げから実行まで携わりました。日本に戻ってからは、メディカル&デベロップメント部門のHRBP、今はコーポレートスタッフ部門のHRBPをしています。それとあわせてプロジェクト・ベースの仕事、現在はグローバル・エンゲージメント・サーベイのプロジェクトリーダーと、日本国内の組織開発プロジェクトを担当しています。
  • 佐藤 拓也
    カルビー佐藤です。
    新卒でカルビーに入社して、最初の2年間は工場で「フルグラ」というシリアル製品の生産管理を担当しました。その後は本社に異動して、購買部で包装機やフライヤーといった機械の購買、それからアメリカにジャガイモを買い付けに行くという、カルビーにしかないような仕事も担当しました。その後経営企画を経て、2016年の9月に人事へ異動になりました。現在は本社の労働組合担当、あとはグループ全体の従業員のストレスチェックなどを担当しています。
  • 江島 信之
    「次世代戦略人事リーダー育成講座」では、岡部さんは2014年の第1期、水越さんと佐藤さんは2016年の第3期に参加されました。参加された動機、実際に参加して得たこと、あるいは現在に至るまでご自身の中で起こった変化というものがあれば、是非共有していただきたいです。
  • 岡部 峰之
    参加の動機は、「他流試合をしたい」と考えたからです。当時はGEに入社して確か2年目ぐらいだったと思いますが、パナソニックとGEではやり方は違えど、たとえば「部門間に壁があるよね」といったように、悩んでいることはだいたい一緒です。じゃあ、他の会社の皆さんはどういうふうにしているんだろう? というのは、自分の会社の中だけにいて、自分の会社の人事の中だけで話しいても分かりません。だからこそこういう場に参加して、1つでも2つでも自分の視野が広がればいいな…と思ったのがきっかけですね。

    参加して得た事は、やはりネットワークですね。もちろん人事の戦略の立て方、施策の出し方、下ろし方なども勉強することができましたが、人事として同じ悩みを抱えてる方が他にもいて、「みんな頑張ってるんだな」というのが分かるだけでも、明日の仕事を頑張ろうと思える。非常にエモーショナルなところですが、そういうところが一番大きかったですね。今振り返ると、皆さんとひたすら飲んでいましたが(笑)。
  • 水越 亜樹
    私が参加したのは、ちょうどアメリカから帰ってきたタイミングでした。アステラスでは2009年から毎週金曜日に4時退社を始めるなど、日本企業の中では比較的進んだ人事施策を実施しています。一方で「グローバル企業や先端技術を導入している会社はどうなんだろう?」というところが見えなくて、人事の領域で今何がホットで、他の会社の皆さんがどんな悩みを抱えているのかを知りたい、と思ったのが動機の一つです。

    あとはやはりネットワーキングですね。医薬品の開発部門は社内では結構オープンでも、外に対してはすごくクローズ。だけど人事は社外との情報共有は活発にできるので、他社から良いものを取り入れることができるのではないか。そう思って参加しました。今でも聞きたいことがあればお互いに質問したり、直接会社に伺って話を聞いたりしています。参加して変化したことは、社外のことに対してより興味が出て視野が広がったこと。そして「全く業態が違っていたとしても他社ができることは自分の会社でもできるんじゃないか」と考えて、プロアクティブに動けるようになった、ということだと思います。
  • 佐藤 拓也
    参加のきっかけは私の同僚、当時は他の会社の人事だったのですが、その方が第1期に参加していて、「いいから行っておいで」と勧めてくれたことですね。私の場合は講座がスタートする数日前に人事に異動してきたので、人事としては完全に素人でした。なので「初心者なのに大丈夫かな?議論できるかな?」といった不安はありました。

    実際参加して感じたことは、人事というものが立体的に見えてきた、ということですね。知識や経験以前に、最先端の課題意識とか問題意識を持っている講師陣、それに他の会社の方たちの話を聞くことで、「人事ってこんなことができるんだぜ」というのを、背中で見せてもらえて、自分の視座をグッと上に引き上げてくれたと思います。「自分の会社でも何かできるんじゃないか」「仲間を作ってけいけば自分にもできるんじゃないか」と考えることができたのは、すごく良かったですね。悩みを共有できる人たちがいるというのがどれだけ心強いか。そういったことを実感できた半年間でした。