文化と経営 日本の文化が、私たちの自信の無さに影響を与えている? ―グローバル環境における自己肯定感の高め方(前編)

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コラム

2021.09.15

加藤 円 Madoka Kato
加藤 円サイコム・ブレインズ株式会社
マネジャー/シニアコンサルタント

企業のグローバル人材育成を支援させていただく中で、「もっと英語力をあげないと…」「立場にふさわしい英語を使えるようにならないと…」といったお声を伺います。常に上昇志向を持つことは素晴らしいことですが、グローバルな環境において大きな責任を伴う役割を担うことや組織の先頭に立つことに躊躇したり、必要以上に自信を持てないのは、英語力の問題なのか。そんなことを考えていた時に、偶然、私自身が『I am Remarkable』というワークショップに参加する機会がありました。Googleが開催するこのワークショップでは「I am remarkable, because(私は素晴らしい。なぜなら)…」と宣言するのですが、これがなかなか出てきません。他の人の素晴らしいところは言えるのに、自分のこととなると意外と困って黙ってしまうのは私だけではないようで、参加者の多くが自尊心の低さ、自分を過小評価していることに気づいた貴重な時間でした。この体験から、日本人がグローバルな環境でもっと自信をもって最大限のパフォーマンスを発揮するためには、英語力だけではなく「ありのままの自分を肯定する感覚」つまり「自己肯定感」もひとつ重要なキーになるのではないかと思いはじめました。そこで今回は、日本人の自己肯定感が低い要因を分析し、要因に基づく効果的な「自己肯定感の高め方」について考えていきたいと思います。

自己肯定感が低いのは私だけ?――国際比較で理解する日本人の傾向

日本人の自己肯定感は本当にそんなに低いのでしょうか?

内閣府が発表した「日本を含めた7カ国の満13~29歳の若者を対象とした意識調査(我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(平成25年度))」では「日本人は諸外国と比べて、自己を肯定的に捉えている若者の割合が低い」という結果が出ています。「私は自分自身に満足している」という質問に対して「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答した合計が一番高いアメリカの86%と比較して日本は約半分の45.8%です。この他、「自分には長所がある」「うまくいくか分からないことにも意欲的に取り組む」といった質問に対しても他国と比較して軒並み低く、国民性の違いがあるように見受けられます。

日本人の自己肯定感が低い背景にはもちろん個人の過去の経験や育ってきた家庭環境も影響していますが、ここでは国民性に注目し、「ホフステードの6次元モデル」を使って、文化的視点から考えていきたいと思います。

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