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イベントレポート

2021年12月10日開催オンラインセミナー「海外拠点の現場を『見える化』で改善するコツ」 「海外拠点でもブラックボックスはあってはいけない!」

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2022.01.14
勝 幹子 Mikiko Katsu
勝 幹子サイコム・ブレインズ株式会社
執行役員 / シニアコンサルタント

去る2021年12月10日、サイコム・ブレインズでは「海外拠点の現場を『見える化』で改善するコツ」をテーマとしたオンラインセミナーを開催いたしました。今回は、主にアジア地域の研修事業において当社とパートナーシップを結んでいるGemba Smile社代表の畠山研也氏が、「なぜ『視える化』が海外拠点の現場管理に必要なのか」「どのように『視える化』するとよいのか」について解説いたしました。また、私、勝が普段お客様からうかがっているお悩みや疑問を畠山氏にぶつけるというやり取りを交えながら話を展開していきました。

イベント概要

海外では見えにくさが増幅する

当日のご参加者様は、約半数が日本本社から海外拠点の管理に携わっている方々で、約半数がインドネシア・中国・タイ等の海外に実際に赴任され現地で勤務されている方々でした。皆様が抱えているお悩みについて投票を実施したところ、「現地の社員の方が一つひとつ指示をしないと動かない」「勝手な解釈で仕事を進める」「同じミスが繰り返される」が多くの票を集め、各社同じような「現場」の課題を抱えていらっしゃることがわかりました。

スライド1

日本でも管理者側にとって現場の動きは見えにくく連携しづらいものですが、海外拠点においては、この見えにくさ、連携しづらさが増幅されて一層ブラックボックス化しがちです。セミナー実施後のアンケートからも、Gemba Smile社が提唱する「視える化ボード」が海外でより威力を発揮する点についてご納得いただけた様子がうかがえました。

製造業以外でも『Gemba』は課題

また、ご参加の皆様は製造業だけでなく、様々な業界から集まっていらっしゃいました。今回ご紹介したソリューションや考え方は製造現場だけではなく、営業組織やサービス業などの現場においても多くの実績がございます。「現場=製造現場」のイメージがどうしても強く皆様の頭に刷り込まれているとは思いますが、ここでは現場という言葉を「企業の戦略が実際に行動に移される場」としての意味で使っており、業界を特定するものではございません。銀行・監査法人・小売業・物流など、様々な業界で成果を上げている考え方をお伝えいたしましたので、製造業以外の方々にも、日々の活動の改善をどのように導いていけばよいのかイメージいただくことができたかと感じています。

事業計画のPDCAをそのまま現場に持っていっても回らない

さて、ここで当日ご説明した現場管理の視える化のポイントの一部である「PDCAサイクルを現場で回すコツ」を簡単にご紹介します。PDCAサイクルを回すコツは、マネジメントと現場でサイクルを分けることにあります。その場合、現場ではPDCAの “P”(Plan=計画する)を “S”(Standardize=標準化する)に変えて “S”DCAサイクルとして回します。

マネジメントのPDCAでは、Plan つまり「事業活動の計画化」から始めて、中長期的な目標を達成します。しかし、このPDCAをそのまま現場に持ち込むと、Pが中長期的な目標に基づいているので、サイクルが長く、冗長になり、途中でスタックしがちになります。現場では、Planの部分をStandardize すなわち「日常業務の標準化」にすることで、仕事のバラつきをなくす短いサイクルをSDCAとして回しながら、日々の改善を積み重ねることができるようになります。この2つのサイクルの関係をレストランの例で説明したのが以下のスライドです。

スライド2

このレストランでは、季節の素材を使った料理に人気があり、マネジャーはお客様の要望を満たすメニューを企画します。この部分がPです。企画したメニューを実際に作り出すのはシェフたちであり、ここでは、素材を使いこなすレシピの標準化、つまりSがPDCAから求められるメニューを実現するためのカギとなります。

今回のセミナーを通じ「海外拠点であってもブラックボックスを作ってはいけない」「海外拠点の社員の方にも、一つひとつ作業を積み上げ成果につなげることの良さはわかってもらえる」ということを実感していただけたかと思います。現場管理の具体的な手法を知りたい、現場で働くメンバーときちんと向き合いたいとお考えの方は、ぜひサイコム・ブレインズのコンサルタントにご相談ください。

  • 勝 幹子 Mikiko Katsu

    勝 幹子Mikiko Katsuサイコム・ブレインズ株式会社
    執行役員 /
    シニアコンサルタント

    上智大学外国語学部、一橋大学大学院国際企業戦略研究科卒業。
    電機メーカーの人事部勤務ののち、ソフトウェア開発のベンチャー企業にてアライアンスを担当。国内外のビジネスパーソンともっと自信をもって渡り合えるようになりたいと、一橋大学大学院国際企業戦略研究科(MBA)に入学。多国籍な仲間と切磋琢磨しソウル国立大学への留学も経験。サイコム・ブレインズに参画後は多国籍な参加者向けの研修や海外体験研修の企画の立ち上げに携わり、インドネシア拠点の設立と運営を担当。最近では異文化マネジメントの講師や組織文化に関するコンサルティングでも活躍。海外出張に行けない昨今では、毎朝のジョギングや早めの就寝など健康的な生活習慣の継続に注力。鎌倉出身で将来の夢は海辺に住むこと。

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