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タレントマネジメント テクノロジーの進化と組織の変化。働く人の評価はどうなる?
― 人材アセスメント、組織サーベイの今とこれから(後編)

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対談

2019.12.12

江島 信之 Egima Nobuyuki
江島 信之サイコム・ブレインズ株式会社
ディレクター / シニアコンサルタント

皆さんの会社では、従業員に対するアセスメント、あるいは組織に関するサーベイを実施していますか? 適性検査や従業員満足度調査などをイメージする人も多いと思いますが、現在は採用、選抜、評価、育成、組織開発など、実に様々な目的で活用されています。また近年はAIやビッグデータ分析を活用した新しいツールも続々と開発されています。テクノロジーの進化によって人材に関するあらゆる情報の取得・蓄積・分析が可能になる中で、経営・人事としてアセスメント/サーベイをどのように活用すべきなのか。今回はクラウドによる360度フィードバックなど、サーベイシステムの開発と導入コンサルティングに携わるフォスターリンク株式会社 取締役 岡祐介氏にお話を伺います。

病気を未然に防ぐように。組織のパルス(脈拍)を頻度高くサーベイする

  • 江島 信之
    360度フィードバックや有名なところでは「DiSC®」など、個人を対象とするアセスメントから少し視点を変えて、今度は組織のアセスメント、いわゆる組織サーベイのお話をしたいです。組織サーベイを実施する会社の課題にはどのようなものが多いですか?
  • 岡 祐介
    組織サーベイといっても、いわゆる従業員満足度のような個別のテーマで調査するものから、組織にどのような課題があるかを全体的に診断するものもありますね。個別のテーマですと、最近はコンプライアンス、ハラスメント、リテンションといったテーマが多いですね。
  • 岡 祐介
    既存のアセスメントツールを使うこともありますが、非常に多いご相談としては、やはりカスタマイズの案件、「組織の課題はここにあるのでは?」とある程度仮説を持ったうえで、自社の従業員に対して独自の質問を聞きたい、というものですね。ただ、従来から組織サーベイをしている企業でも、課題解決のために継続性をもって活用している企業がどれだけあるかというと、まだ少し心もとないというか。
  • 江島 信之
    組織サーベイのことを話すときに、私はよく病院を例に出します。具合が悪くて病院に行くと、受付で問診票を渡されて、アンケートに答えるように自分の症状を書きます。医師も問診票がなければ、患者に質問する取っ掛かりがないし、診断も処方箋も出せない。あとは問診票を見て「この患者は“お腹が痛い”と言っているけど、実は他の部分が影響しているのかも?」と専門医としての仮説を立てることができる。

    なので継続性ということでいえば、もっと簡単にできるようなもの、たとえば設問が100個あるのではなくて、5問とか10問とか、そういうものがあるといいなと思います。要はどこが悪そうなのか?という「あたり」をつけるだけなので。その組織の中の人も大体わかっているわけです。「この会社、なんとなく雰囲気が悪い。他の人もそう思っているはず」とか、「新しいマネジャーになってから、退職者が続出した」とか。だからたくさん設問を作って、診断のロジックの完成度を高めて、詳細なレポートを出して…というのではなくて、もっと簡易なものでもよいと思います。
  • 岡 祐介
    おっしゃる通りで、最近では「パルス・サーベイ」というものが注目されていますね。パルス、つまり脈拍ですよね。健康診断で脈拍をチェックするように、組織に異常がないか、従業員に対してたとえば毎月とか、頻度高く聞いていく。
  • 江島 信之
    なるほど。今はもう半年・1年過ぎたらビジネスの環境なんて変わっていることの方が多いわけで。重い病気でも初期段階なら治療が可能なように、組織の問題も早期に発見した方がいいに決まっています。360度と同様、このパルス・サーベイも今後IT系やベンチャー企業から始まって、徐々に日本企業にも広まっていくのではないでしょうか。