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小西 功二
サイコム・ブレインズ株式会社
ディレクター / シニアコンサルタント
会議の生産性はファシリテーターが準備した「アジェンダ」で決まる
改めて、会議の場でファシリテーターに求められる「役割」について整理してみたいと思います。ファシリテーターは大きく分けて、「場のデザイン」と「場の活性化」という2つの役割を求められます。まず、「場のデザイン」について説明します。

●場のデザイン
場をデザインするために、ファシリテーターは次の4つを、事前に準備する必要があります。
- 1.「何に対して答えを出すのか」というテーマを踏まえた「目的の設定」
- 2.「どこまでの答えを出すのか」という目的を踏まえた現実的な「ゴール設定」
- 3.設定したゴールを時間内に達成するための「論点分解」
- 4.ゴール達成のためのリソース(ヒト・モノ・カネ・情報のうち、特にヒトと情報)調達
ここでは、設定した「目的」を踏まえた「ゴール達成」の鍵となる「論点分解」について補足します。会議の時間内にしっかりとゴール達成するためには、抑えるべき論点を検討しておく必要があります。参加者が小さな問いに答えていくことによって、大きな問いの答えが見えてくる、つまり「ゴール達成」できるように、ファシリテーターは「小さな問い」を立て、問いの中身と順序について検討します。これが「論点分解」のイメージです。
次に、設定したゴールを達成するためには、あらかじめ検討すべき情報を収集し、参加メンバーと共有しておくことが重要です。また、「どんなメンバーを集めるか」の判断も極めて重要な準備です。「ゴールを達成するために必要最低限なリソースだけを集める」という、ファシリテーターのこの意思決定が甘いと、会議の場で議論する時、その生産性は落ちます。単純に参加メンバーが多くなるほど、合意形成のハードルは上がるからです。
以上の4点は、当日の会議の場の設計図である「アジェンダ」に落とし込まれる要素です。ファシリテーターは事前にこのアジェンダを作成し、メンバーに共有することが求められますが、いずれの準備においてもベースとして論理的思考が必要不可欠であることがお分かりいただけると思います。
