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座談会

2018.08.07

ATDラーニングチームで体験した、人事としての仕事観・人間観に対する深い気づき

  • b! はてぶ
宮下 洋子 Yoko Miyashita
宮下 洋子 サイコム・ブレインズ株式会社
ソリューションユニット コンサルタント

テクノロジーの前に、研修の前に……伝えることに対する意識の違いを実感

花王株式会社 本間理恵氏
花王株式会社 本間理恵氏
  • 宮下 洋子
    先ほどお話したように、ATDの全体的な空気として、「仮説レベルでもいいから、みんなで考えてみよう」「まずはやってみて、検証していこう」みたいな考え方がありました。日本とのスタイルの違いもありますが、皆さんそれぞれにATDで刺激を受けつつ楽しんでいだたけて、本当によかったと思います。

    帰国後にもレビューセッションを行いましたが、お二人が人事としてATDでの体験をどのように活かすか、あるいは組織の中でどう伝えていくか、といったところをお聞きしたいです。
  • 東野 敦
    私は「テクノロジーで、いかにエンゲージメントを上げることができるか?」といったいくつかのテーマ、欲しいアウトプットがあって、参加するセッションを選びました。ところが、実際そこでいわれていたのは「テクノロジーを入れる前に、リーダーがちゃんとコミュニケーションをとって、メンバーと向き合っていくべきだ」みたいな、言ってみれば当たり前の話も多くて。「アメリカでテクノロジーがどのくらい進んでいるのか」「どれくらい持って帰ることができるか」という気持ちでいたので、そこは少し反省をしました。
  • 宮下 洋子
    もし私が事業会社の人事だったら、「これを組織に提言したいから、こういうエビデンスが欲しい」とか、「世界的に有名な誰々さんもこう言っていました!」とか、そういうものが欲しくなると思います。そういった思わぬ気づきがあるところが、ATDの面白いところですよね。
  • 本間 理恵
    「まずやってみる」という意味では、私は仕事のやり方を変えていきたいですね。今までは結構完璧主義でやってきたんですけど、たとえば何かを提案するにしても、パワーポイントを使わずにホワイトボードを使う。パワーポイントで資料を作るのにすごい時間をかけて、それが否決されたら、さすがにダメージが大きい。「今日、飲み行く?」みたいな (笑)。でもホワイトボードだったら、「これはNOなんだ。次に行こう!」くらいで済みます。
  • 宮下 洋子
    帰国後のレビューセッションでも、「研修が大好きだから、研修そのものにどんどんフォーカスしていってしまう」と、これまでのご自身を振り返っていましたね。私も研修をより良い内容にしたいがあまり、どんどん作り込み過ぎてしまうことがあります。
  • 本間 理恵
    この仕事って危険ですよね。独りよがりになるのは簡単なんですよ。あれも入れよう、これも入れようって、研修前日の夜遅くまでパワーポイントで完璧な資料を作って、当日はグッタリみたいな(笑)。でも、引き算で考えた研修の方が、受講者に学びを持って帰ってもらえるんですよね。特に外国人と接すると、結局は大切なことしか伝わらない、ワンセンテンスぐらいしか伝わらないので、やっぱり引き算って大事だな、と改めて思いました。
  • 八木 洋介
    ATDのプレゼンテーションを見ていると、ストーリー性というものを非常に考えているなと感じますよね。トップラインを追いかけていくと何を言いたいのかが分かるとか、実はものすごく考えている。それはやっぱり、伝えることの大切さをわかっているからだよね。
  • 東野 敦
    確かにそうですね。聞きながら見出しだけメモをして、後で見てもすごく綺麗にまとまっている。MECEになっている。よくできているなと感心しました。
  • 宮下 洋子
    内容的には「ん?」と思うところや飛躍が多少あっても、思わず引き込まれるような、スピーカーとしての魅力を感じる方も多かったですね。私の仕事でいえば、多国籍な受講者、特に幹部候補者に対して研修をするときには、彼らを引きつける必要があって、受講者の目線に立ってコンテンツを作らないとダメだなとか。セッションのテーマとは別のところで考えさせられました。
  • 本間 理恵
    コミュニケーションの相手がどう受け取るかなんですよね。日本人だけだと「わかってるでしょ?」みたいな態度になってしまいますが、外国人が混ざると主体的に伝えようとしなければ伝わらない。そこの意識の違いは大きいですね。
  • 東野 敦
    ミレニアル世代の話にしても、日本だと若い世代に対して「早くキャッチアップしてこい!」みたいに考えてしまいがちですが、ATDで発信されている世界のトレンドとしては、その世代に合わせた研修まで考えている。良いか悪いかは別にして、伝えることをここまで考えているんだ、という意識の違いは確かに感じましたね。

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