コラム

2016.09.01

自分の持ち味、 押さえつけていませんか?

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鳥居 勝幸 Katsuyuki Torii
鳥居 勝幸 ファウンダー
取締役

NPO法人 能力活用ネットワーク」の藤原さんによる開会の挨拶
NPO法人 能力活用ネットワーク」の藤原さんによる開会の挨拶

2013年に仲間たち数名と立ち上げた「NPO法人 ワクワク営業応援団」は、「日本の接客・営業をおもしろくてワクワクする仕事に!」を合言葉に、全国でセミナー活動を行っています。これはサイコム・ブレインズの事業とは別のボランティア活動です。(ワクワク営業応援団の詳細はこちら)

このたび、愛媛県新居浜市に本部をおく「NPO法人 能力活用ネットワーク」との提携が実現し、去る8月18日に「ワクワク営業セミナー」を松山市にて開催しました。この日は22名の方にご参加いただきました。時間は13時から17時までの半日、セミナーのテーマは「自分をパワーアップしよう」でした。今回はこのセミナーの内容と参加者の声をご紹介します。

「仕事という枠組み」にこだわりすぎると…

私たちは、自分の中にいろいろな持ち味を有しているのですが、仕事という枠組みを自分にはめ込んだとき、そこからはみ出している自分を押さえつけて仕事に取り組もうとします。たとえばホテルで働く人は、ホテルマンたるもの礼儀正しくピシっとしていなければならない、というのが仕事のイメージ、つまりその仕事の枠組みです。だからユーモラスな持ち味のある人でも、その部分は仕事の枠組みからはみ出してしまうので、接客のときにそのような自分を出さないようにしようと考えるのです。そうやって、自分らしさを押し込めて、標準的なホテルマンであろうとする、つまり非のない職業人であろうとします。

だけども、その人はお客様をワクワクさせているでしょうか。あるいは、その人自身はワクワクしながら働いているでしょうか。仕事だからしかたがない、ホテルマンだから振る舞い方は決まっている、そんな思いで何年も働くうちに、もしかしたら職業義務的な鎧の中に自分の持ち味を押し込めてしまって、マニュアル的なおもしろくないホテルマンになってはいないでしょうか。それよりも、ユーモラスであるという自分の持ち味を思い出し、それを生かして接客してもいいのではないでしょうか。支配人から注意されることがあっても、お客様が喜んでくださるなら構わない、そのような前向きな開き直りもときには大事かもしれませんね。人や地域を元気にするには、また世界中のお客様をお迎えするには、もうちょっと、私たちは個性的であってもいいのかもしれませんね。

弱みと思っていたことが、見方を変えれば強みになる

営業の人がみんな明るく元気で口達者だとは限りません。実際はその逆の人も少なくありません。「僕は口下手なんです」と言う人でも、会社でトップクラスの業績を挙げている人がいます。その人は自分の弱みを強みに変える術を知っているのだと思います。口下手である代わりに、話す内容の正確さや、対応の誠実さに価値観を置いてお客様に接する。これは口下手だからこそ醸し出せる持ち味です。お客様は、口先でごまかさない彼を信頼しきっているのです。

今回のセミナーの参加者の中に、お客様からお小言をいただくことに悩んでいる営業の人がいました。彼女はお客様から信頼されていないと思い込んでいたのですが、他の参加者からの「お客様から期待されてるんじゃないですか?」という一言で、目の前がぱっと開けたと言っていました。自分が弱みだと思っていたことが、見方を変えれば強みになり得る。それに気づくためには、やはり他人の意見が必要です。そのあたりがワクワク営業セミナーのいいところでしょう。

参加者の中に、東京の大きな会社を辞めて脱サラをし、家族で松山に移り住んで、これから自分で商売を立ち上げるという人がいました。とてもエネルギッシュな感じの40代の男性でした。彼は最後にこのように話してくれました。

もといた会社では、研修をたくさん受けてきました。在社中の自分は自信に満ちていて、研修を受けても『まあ参考になるな』と思う程度でした。しかし、今日ほど身にしみた研修はありませんでした。いま自分は、ビジネスがうまくいくかどうか不安で、自信のない弱い立場にあります。そのような状態でいただく人の言葉の重さを感じました。今日のことを忘れず、これから走り続けたいと思います。皆さんの考え、意志、プライドを感じられて、本当に楽しい時間を過ごせました。ありがとうございます!

私も参加者の皆さんのおかげで、自分をパワーアップすることができました。参加者の皆さん、お疲れ様でした!

松山城を臨む。セミナー当日は好天でしたが、35度の猛暑でした。松山城を臨む。セミナー当日は好天でしたが、35度の猛暑でした。

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