コラム

2021.05.31

あなたのその1on1、実は「なんちゃって」かもしれない? ―リモートワークで差が出る1on1ミーティング成功の秘訣(前編)

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小西 功二 Koji Konishi
小西 功二 サイコム・ブレインズ株式会社
ディレクター / シニアコンサルタント

研修の現場でも実感。意外とできていない「コーチング」に注目!

三つ目のスキルは「コーチング」です。先の対話の深め方の最後である「対策を問いかける」部分でこのスキルを使用します。コーチングをあらためて定義すると、「ある“問い”に対する“解”を、質問によって相手の中から引き出すこと」となります。繰り返しになりますが、1on1を行う狙いは「部下の成長」です。上司が論点の整理や、気づきを促すアシストを行いながらも、問題の“解”は部下本人に考えさせ、自分の言葉で説明させてみることで、部下が自ら考える力とマインドを育みます。このコーチングの対立概念となるのが、相手に解を与える「ティーチング」ですが、どちらか片方が優れているというものではありません。面談の目的、部下の成長段階、業務の習熟度などに応じてアプローチを使い分けることが重要です。

コーチングのスキルは、ティーチングとの使い分けとともにビジネスの世界で一般化しつつありますが、研修の現場で企業のマネジャーの方々と接していると、「コーチングが何かを理解はできていても実践ができていない」あるいは「できていないことにすら気づいていない」ケースも多いことを日々実感しています。実は、当人たちはコーチングのつもりでもそうなっていない、“なんちゃってコーチング”が横行しています。コラムの後編では、“なんちゃってコーチング“の残念な実態と、その原因について触れていきたいと思います。

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