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コラム

2021.06.09

面談スキルは役に立つが、それだけでは解決できないこともある ―リモートワークで差が出る1on1ミーティング成功の秘訣(後編)

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小西 功二 Koji Konishi
小西 功二 サイコム・ブレインズ株式会社
ディレクター

結論:オンラインもオフラインも、部下と向き合う姿勢がものをいう

以上、1on1での5つの活用スキルについて解説してきました。最後にその前提となる部下との信頼関係構築について述べたいと思います。ここでは、いかにして心理的安全性を確保するかがポイントになります。

心理的安全性とは、平たく言うと「何を言っても、何を尋ねても、決して責められることがないチーム内の関係性であり、職場の雰囲気」のことです。心理的安全性が高いチームや職場では、ポジションに関係なく誰もが臆せず意見を発信することができるため、結果として生産性が高まり、より優れた成果を創出することができるのです。

1on1という「対話の場」において心理的安全性が重要であることは皆さんも実感しやすいと思います。上司部下の関係ではありながらも、その時々のテーマに対して自由に、率直に、素朴に意見したり、質問したりできるからこそ、新しいアイデアや創意工夫が生まれます。逆に言うと、そのような関係性や場の空気が無い限りは本当の意味での対話は成立しないでしょう。

では、1on1の場で心理的安全性を確保するために上司は何をすべきでしょうか。私は、部下に向き合う姿勢から心理的安全性は生まれると考えています。例えば、一つ目のスキルとして挙げた「傾聴の姿勢」はここでも活きてきます。その他にも、上司自ら自己開示する、話しやすいポジティブな雰囲気を醸し出す、多様な意見を受け容れる、バイアスを排除するといった姿勢も該当するでしょう。

部下は上司の姿勢に敏感ですから、口先だけの心理的安全性は見透かされてしまいます。だからこそ、心理的安全性を確保するための姿勢・思想が日頃のコミュニケーションの中でも意識され、反映されていることが重要です。これは、仕事の進め方がリモートになろうとそうでなかろうとも変わらない普遍的な事実だと考えています。

これまで、1on1を成功させるためのスキルと留意点を整理してきましたが、結論としてお伝えしたい事は、「リモートワークならでは」という特別なスキルやテクニックがあるわけではなく、部下と向き合う時の「姿勢」や「思想」といった本質こそがより成果を左右するということです。このコラムがマネジャーの皆様の日々のマネジメントに役立てば幸いです。

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