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コラム

2023.02.03

学習者の“学習体験”を重視するラーニングエクスペリエンスデザイン【LXD設計のポイント】

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小西 功二 Koji Konishi
小西 功二 サイコム・ブレインズ株式会社
ディレクター

フォーマルとインフォーマルな学習をどのように配置するか

ある程度の学習期間を通じて達成を目指すならば、単発の研修を施してもあまり効果は期待できません。一連の学習体験である、『ラーニングジャーニー』を設計することが求められます。つまり、研修はジャーニーを構成する一要素、ゴールを達成するための一手段に過ぎません。では、LXDの設計に必要な学習要素(以降、『学習資産』と呼びます)にはどのようなものが挙げられるでしょうか。

ここでは、まず、学習資産の例を挙げる前に、今一度LXDの趣旨である、「学習者を主体とした一連の学習体験をデザインすること」に立ち返り、重要な考え方をご紹介します。それは学習の提供者と学習者の接点「ラーニング・タッチポイント」を考慮し、これらをブレンドしながらラーニングジャーニーをデザインすることです。

●STEP3:ラーニング・タッチポイントの考慮

ラーニング・タッチポイントには、“Formal”(フォーマルラーニング)、“Social”(ソーシャルラーニング)、“Immediate”(即時的学習)」の3種類があり、学習資産はこの3種類のタッチポイントを考慮して、ジャーニー上に配置されます。

『フォーマルラーニング』とは、「誰に」「何を」「どういう順序で」学ぶかが、体系化され、構造化された学習のことで、人事部門が提供する研修やe-ラーニングなどが該当します。明確な「始まり」と「終わり」を持つ体験を提供する点が特徴です。

『ソーシャルラーニング』とは、他者との交流を通じた学習のことで、「誰から学ぶか」が学習効果を左右します。学習プラットフォーム上での受講者同士のディスカッションやチャットルームを通じた学び合い、いわゆる『ピア(・ツー・ピア)ラーニング』はソーシャルラーニングです。また、対面/非対面でのメンターへの相談や1on1のコーチングなどもソーシャルラーニングに含まれます。

最後に『即時的学習』とは、24時間365日いつでも単独で利用できる学習のことです。一般的には、インターネット検索、Webサイトの閲覧、データベースへのアクセス、マイクロラーニング(短時間動画コンテンツの視聴や参考図書の“つまみ食い”学習)など、極めて実務的な必要性に駆られてその場で行う学習が該当します。今後は、即時的学習の一手段として、AIチャットの利用なども増えてくるものと期待します。

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