コンサルタントの眼コンサルティング営業とは

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コラム

2015.10.19

小西 功二 Koji Konishi
小西 功二サイコム・ブレインズ株式会社 ディレクター / シニアコンサルタント

皆さまこんにちは。今回は、「コンサルティング営業とは何か」というテーマを考えてみたいと思います。

コンサルティング営業の必要性が叫ばれるようになって久しいです。我々がお客様からご相談いただく営業研修の内容も、業界問わずますます複雑化・高度化する傾向にあります。現場の課題を明確に認識しているお客様はもはや少数派で、優先課題の誤認も少なくありません。なぜでしょうか。

営業研修の相談内容が複雑化・高度化する理由は、営業現場に求められるソリューションが同様に複雑化・高度化しているためです。その背景には、市場の成熟化と縮小傾向、一方で競争の激化と広域化(グローバル化)、ニーズの多様化とスピード化など、枚挙にいとまがないほどの環境変化があります。これはB to BでもB to Cでも同様です。こうした時代にあって、お客様は営業パーソンに対して、悩みや課題の解決、あるいは将来ビジョンの達成の助けとなるトータルなソリューションを求めているのでしょう。その方法論の一つがコンサルティング営業なのです。

ここでコンサルティング営業をあらためて定義してみますと、「単に自社の商品・サービスを売り込むのではなく、顧客が抱える固有の課題の解決や将来ビジョンの達成に向けて、自社の商品を絡めてトータル提案していくこと」と言えるでしょう。

しかしながら実際にコンサルティング営業を実践するとなると、一筋縄では行きません。顧客が変われば課題が変わり、課題が変われば解決策が変わるからです。そのそれぞれの解決策に自社の商品・サービスを関連付けるスキルが必要になります。

では、コンサルティング営業に必要とされるスキルとは具体的に何でしょうか。大きく分けると3つあります。すなわち、「顧客固有の課題を把握する力」「課題に応じた解決策を立案する力」「自社商品・サービスを課題に関連付ける力」です。この3つの力は営業プロセスとして順に流れていきます。詳しく見てみましょう。

第一に、顧客固有の課題を把握する力とは、言い換えればヒアリング力です。単にお客様の話を聞くだけではなく、深く理解することが求められます。

しかしながら初見でお客様を深く理解することは容易ではありません。だからこそ、事前に下調べをし、問題に対する自分なりの仮説を持ってお客様に対面することが必要になります。面談は、お客様との会話を通じて自身の仮説を検証し、修正する場と言ってもよいでしょう。

お客様が抱える問題を解きほぐし、理解しやすいように整理するための質問のスキルも必要になります。さらに言えば、お客様自身に「この営業なら自分の悩みや課題を解決してくれそうだな」との期待を高めていただく必要もあります。そのための「場づくり」も、コンサルティング営業には重要です。場づくりができなければ、お客様は営業パーソンに深い悩みや課題を吐露することはないからです。

第二に、課題に応じた解決策を立案する力とは、いわば構想力です。構想力を高めるためには、いわゆる「鳥の目」「虫の目」「魚の目」の3つを持ち合わせることが重要です。

「鳥の目」とはお客様の抱える悩みや課題の全体像を捉える目、あるいは一段高い視座からお客様のあるべき姿を捉え直す目と言えます。「虫の目」とは、お客様の課題に関連する個別事象、細部についても理解するための目と言えます。「魚の目」とは、潮目を読む目です。お客様の置かれている状況、お客様が展開するビジネスが今後どのような方向へ向かっていくか、その潮流を見極める目と言えます。

3つの目をもってお客様の課題をしっかりと見据えることで、正しい解決策が見出されるのです。ただし、視点を変えるというのは簡単なことではありません。これを簡単に行うために、第三者の力を借ります。構想を練る会議に、上司、先輩、同僚を巻き込めばよいのです。

最後に、自社商品・サービスを課題に関連付ける力とは、言うまでもなく企画力です。自社の商品・サービスに通じているベテラン営業であっても、お客様の課題と自社の提案を自然に結びつけることは難しいとよく聞きます。本当にそうでしょうか。

私は必ずしも難しいとは思いません。先に述べた第一、第二のプロセスがしっかりしていれば、お客様の課題と自社の提案の関連性は自ずと見えてくると思っています。ベテラン営業はベテランゆえに、ヒアリングをおざなりに済ましているということはないでしょうか。忙しさにかまけて構想を練る時間を惜しんでいるのではないでしょうか。若手はスキル不足から第一、第二のプロセスが不十分で、企画できない状態に陥っていると思われます。

コンサルティング営業を行うには以上の3つの力が必要不可欠です。3つのプロセスを踏む必要があるとも言えます。プロセスは順に流れており、前工程が不十分だと後工程が組み立てられない構図になっています。

しかしながら第一の力、顧客固有の課題を把握する力はもはやコンサルティング営業の大前提です。成約の是非を握るのはむしろ第二、第三の力ではないでしょうか。私も含めてコンサルティング営業に従事する営業パーソンは、そのことを強く意識する必要があると思います。

次回は成果創出の方程式についてお話しいたします。

  • 小西 功二 Koji Konishi

    小西 功二サイコム・ブレインズ株式会社 ディレクター / シニアコンサルタント

    神戸大学文学部卒業、名古屋商科大学大学院MBA。中小企業診断士。
    前職では自動車メーカーのコンサルティングファームにて、系列ディーラーの経営改⾰を⽀援。販売台数の増加、利益拡大、赤字経営からの脱却、後継者育成など幅広い支援業務に携わる。2013年、サイコム・ブレイ ンズ入社。顧客企業のパフォーマンスが向上し、「社員が元気になる」様な研修プログラムの開発・提供に力を注いでおり、人や組織がよりよく変化していく事を体感できることが最大のモチベーション。大阪府堺市出身、趣味は映画鑑賞と車の運転。年に一度は10日間の一人旅に出ている。

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