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コラム

2021.07.30

ナショナルスタッフ研修、復活の兆し。来日も集合もナシで、自社へのロイヤリティを高めることは可能なのか?

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勝 幹子 Mikiko Katsu
勝 幹子サイコム・ブレインズ株式会社
ディレクター / シニアコンサルタント

プログラム設計、準備、実施において参加者が楽しみながら関与できるようにするのが、世界的なトレンド。

目的と実施形態の概要が決まったら、いよいよプログラム内容を詰めてゆきます。今回は特に、実際に集合しないオンライン・ワークショップで「本社への愛着、親しみを感じてもらう」、「企業へのロイヤリティを高める」にはどのような要素を考えると良いのか、という企画の際のポイントについてお伝えしたいと思います。

まず「日本本社に実際に来て1週間過ごす」というような今までの枠を離れて考えてみる必要があります。その際に当社が企画のポイントとしているのは、「開催頻度を高くする」、「カジュアルな雰囲気を作る」、「様々なトピックを盛り込む」、「参加者を関与させる」の4つです。

開催頻度を高くする

今までは1年に一度、2年に一度といった頻度で企画されていたものが多かったかと思いますが、オンラインで「親しみを感じてもらう」ためには会う頻度を高くすることが鍵となります。人間は、頻度高く会う相手に対して、親近感を抱きやすいという事がよく言われています。1年に1回の大掛かりなものを企画するよりも、例えば一度の時間は少なくても、1か月に1回のペースで半年間定期的に顔を合わせる機会を作ることで、より本社への帰属心と、他のメンバーへの親近感を高めることができます。

カジュアルな雰囲気を作る

日本人はどうしても、研修にも仕事と同様の「真剣さ」を持って取り組む必要があると考えるがゆえに、研修の場を非常にフォーマルなものとして企画しがちです。海外の中には研修=みんなで楽しむ場と考えている方も多く、そういう方にとっては堅苦しすぎる研修はモチベーションが下がります。カジュアルに楽しく参加しているからと言って学びの質が低下することはありません。研修案内の書類の記述やデザインをちょっと変えてみる、研修冒頭の事務局挨拶を工夫する、研修前や休憩時間にカジュアルな音楽を流す、研修用にバーチャル背景を作って配布するのも良いでしょう。また、講師やファシリテーターにもアイスブレークや雰囲気づくりへの協力をお願いするなどによって、気負わずに参加できる場を設定すれば、より海外の方の意欲を高めることができるでしょう。

様々なトピックを盛り込む 

1つのテーマを突き詰めるやり方と、いろいろなテーマについて広く浅く学ぶ方法があります。例えば日本では、「部下指導」という研修を実施する場合、このテーマについて様々な演習を繰り返すことによって完璧に理解・習得しようとする、といったように、1つのテーマを突き詰めることに重きを置く傾向があります。これに対し、海外の方の多くはどちらかというと、「部下育成」というテーマを理解・習得するための演習に時間を割くよりも、そのテーマに関連した周辺領域にあるビジョン作成、コーチング、コンフリクトマネジメントといった、様々なトピックを盛り込むほうが好奇心を覚えて意欲がわきやすいという方が多いのです。また、在宅でのオンラインで、となると、画面に向かって長時間集中力を保つことは難しいようです。意識して、トピックスやアクティビティにもバラエティを持たせると良いでしょう。

参加者を関与させる

オンラインで場を作ると、一人一人が平等に参加できるようになるという事はよく言われています。日本で集合研修を開催するとなると、海外の参加者は実質的に準備段階には参加できず、特にこれまでは多少「お客様待遇」で、日本のメンバーに用意してもらった場に参加するだけだったと思います。しかしながら、オンラインでの実施であれば、例えば、好きな音楽を持ち寄って休憩時間に流してもらったり、アイスブレークのアイデアやディスカッショントピックスを受講生から募集したり、当日のメモ係や時間管理を受講生にお願いするなど、研修準備や場の設定に参加してもらう、といった工夫をすることで、より主体的にかかわってもらえるようになります。

実はオンライン研修が主流になる前から、この「頻度高く」「カジュアルに」「幅広いテーマで(バラエティを持たせる)」「参加者の関与度を上げる」という点は世界的なトレンドとして静かに進行していました。コロナ禍によって、その効果が「より広く認識されるようになってきた」というのが実際のところです。今までの研修の企画を一度手放して、上記のポイントにそって、やりたいこと、できることを整理してみると、御社に合った研修像が見えてくると思います。社内のリソースと、我々のような社外エキスパートをうまく使って、貴社の海外スタッフがより一層本社に親しみを持ってくれるようなプログラムをぜひ企画してみてください。

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