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コラム

2023.02.02

学習者の“学習体験”を重視するラーニングエクスペリエンスデザイン【LXD概論】

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小西 功二 Koji Konishi
小西 功二 サイコム・ブレインズ株式会社
ディレクター / シニアコンサルタント

LXDによって期待できる効果と人事部門の課題

LXDを設計することによって、従来型の研修設計に比べて大きく3つの効果が期待できます。

第一に、学習者の、学習に対する主体性や自律性を高めることができます。第二に、学習者の多様な価値観を考慮した学習設計が可能になります。この2点は相互に補完的で、相乗効果が期待できる関係にあります。すなわち、学習者一人ひとりの、有意義な学習体験の実現に繋がります。そして第三に、業務上のパフォーマンスに直結する学習効果が期待できます。

学習者一人ひとりに合わせた、主体的で自律的な学習設計だからこそ、学習効果の最大化が実現でき、加えて、その副次的効果として学習の効果測定も可能となるのです。(詳しくは、学習者の“学習体験”を重視するラーニングエクスペリエンスデザイン【LXD設計のポイント】を参照)

一方で、LXDの設計には人事部門の更なるチャレンジも必要です。第一に、これまで以上に学習者そのものと、学習者が抱える業務上の課題や学習ニーズを把握する必要があります。第二に、社内外にある利用可能な学習資産を網羅的に把握し、学習資産に対する「目利き」ができるように専門性に磨きをかける必要があります。第三に、LXDの設計はデジタルテクノロジーの活用が前提となりますので、単なるITリテラシーを超えた、DXリテラシーを身に付けることが求められるでしょう。

上記の全てを内部リソースで賄っていくことは現実的ではないと考えます。人材育成領域のDXとも言える「LXDの実現」に向けては、外部リソースをうまく活用することが必要不可欠ではないでしょうか。翻って、我々トレーニングベンダーには、クライアント企業にLXD設計のパートナーとして選んでいただくための、専門性、コンサルティング能力、それらに裏打ちされた信頼性が強く求められるものと考えています。

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