コラム

2024.04.24

孤独感のない自律的な「学習の場」の作り方 ~Cicom-LXD『まなラン』を活用した学習体験レポート

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小西 功二 Koji Konishi
小西 功二 サイコム・ブレインズ株式会社
ディレクター / シニアコンサルタント

グループメンバーからのフィードバックが学習の主体性を促し、現場実践を後押しする

『まなラン』でのラーニングジャーニーはミニワークショップからスタートします。ミニワークショップ第1回目では、学習のねらいや、これから体験する学習内容の全体像を理解した後に、学習プラットフォームの使い方を体感いただきます。これから使用するプラットフォームの画面上を行き来しながら「やること」や「できること」を確認する時間は「IT関連全般が苦手で…」という学習者にとって、ラーニングジャーニーの円滑なスタートを切るために有益な時間となったようです。

また、『まなラン』におけるミニワークショップは原則1時間なので、参加へのハードルが低いのも特長の一つです。実際「半日~1日研修のような拘束感がなくて良かった」「勤務時間中でも短時間だから参加しやすい」という声をいただきました。ミニワークショップには他にも、画面越しにでもお互い顔を合わせることでクラスとしての「一体感」や自律学習への「ささやかなプレッシャー」を感じてもらう、といったねらいもあるのですが、それらのねらいは概ね達成することができました。

ちなみに、今回開催した『まなラン』体験会の参加者は当社から19名、ビジネスプラスサポート様から7名の計26名でしたが、実は『まなラン』には参加人数の上限設定がありません。「多くの受講者が同時に1つのプログラムに参加できる」というのも『まなラン』の特長です。

さて、今回の『まなラン』体験会で実施したプログラムは「ビジョン構築&浸透トレーニング」です。実は私自身、この4月から新しいチームを率いることになりましたので、第3回ミニワークショップのファシリテーターを他のメンバーに譲って、自チームのビジョンを作成し、学習者として第3回ミニワークショップに臨みました。

本プログラムの全体像は以下に掲載しているラーニングジャーニーマップの通りで、第3回のミニワークショップのテーマはチームビジョンの「プレゼンテーション」です。

今回実施した「ビジョン構築&浸透トレーニング」体験会のラーニングジャーニーマップ

第3回ミニワークショップ当日は3人1組の小グループに分かれて順にプレゼンテーションし、グループメンバーからフィードバックをもらいました。「講師ではない学習者からのフィードバックは有益なのか?」という懸念が上がりそうですが、結論として、それは杞憂に終わりました。なぜでしょうか。

同様の悩みを抱える「同志」からのフィードバックは極めて実践的です。また、自分にはない視点・観点でのフィードバックは、思考を活性化させる効果があります。もちろん、講師からのフィードバックは有益なのですが、講師と自身との圧倒的な知識・経験量の違いからか、学びが受け身になりがちです。その点、同志からのフィードバックは絶対的な解になり得ない分、自らの頭で考えるきっかけになります。なにより、同志からの共感性の高いフィードバック、親身になったフィードバックは嬉しいもので、更なる学習や実践への動機付けになります。私自身もフィードバックを受けて自分のチームビジョン案をブラッシュアップし、学習プラットフォームに再投稿したり、他の学習者が投稿したビジョンが気になり、チェックしたりしました。

『まなラン』のラーニングジャーニーには必ず、現場実践の機会が用意されています。今回の現場実践のお題は「作成したチームビジョンについてチームメンバーとコミュニケーションを取り、意見交換してくる」でした。私は通常、講師として登壇する身とはいえ、自分が作ったビジョンを実際に自分のチームメンバーに向けて発表し、意見を吸い上げるプロセスには大なり小なりプレッシャーを感じます。メンバーの反応はポジティブなものばかりとは限らないからです。しかし、こうしたある種のストレッチも、『まなラン』に参加してきた“同志たちと共に取り組んでいる”という気持ちの共有があれば多少和らぎ、乗り越えやすいのではないか、と感じました。

さて、結果は…。個人的な体験なので詳細は控えさせてください。一つ言えることは、メンバーから良いフィードバックをたくさんもらうことができ、ビジョンをさらにブラッシュアップすることになりました。やはり最大の学びは実践から得られる気づきです。ブラッシュアップしたビジョンは再度、学習プラットフォームに投稿しました。実践によって得られた気づきもあわせて投稿し、ミニワークショップの最終回で議論します。最後にラーニングジャーニーの総括を行い、今回の体験会は終了となりました。

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