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女性とキャリア女性管理職のリーダーシップ強化ポイント①:
判断の「軸」を持つ

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コラム

2015.11.25

太田 由紀 Yuki Ota
太田 由紀サイコム・ブレインズ株式会社 専務取締役

女性管理職のリーダシップ強化ポイント

宣伝から入り恐縮ですが、弊社では企業の人材開発ご担当者様・ダイバーシティ推進ご担当者様を対象に、10月より毎月1回、3回シリーズで『女性管理職育成プログラム(リーダーシップ構築編)』デモセッションを開催しています。今回はその中で取り上げる、女性管理職のリーダーシップ強化ポイントについてお伝えします。

このデモセッションで『リーダーシップ構築』を取り上げたのは、様々な企業の人事ご担当者より「女性管理職候補者のリーダーシップを強化したい」「課題はリーダーシップ」というお話を伺うことが増えてきたことと無関係ではありません。

リーダーシップという言葉の解釈は多様ですが、ここではクーゼス&ポスナーによる定義に筆者の解釈を付け加えて「フォロワーが、(リーダーを信頼し-筆者の解釈)喜んでついていく現象」と定義します。男女取り混ぜたチームメンバーが、信頼し喜んでついてきてくれるために、女性管理職が優先して実践すべきポイントは何でしょうか。弊社では、次の3つに絞り込みました。

  • 判断の「軸」を持ち、迷いを見せず意思決定を行う。
  • 組織が要請するリーダー像をベースに、自らの価値観を反映させたリーダーシップスタイルを身につける。
  • 明快かつ魅力的なビジョンを掲げて、メンバーに進むべき方向を示す。

上記のポイントが男性管理職の場合と比較し特徴的かというと、必ずしもそうではありません。但しこのコラムでも度々取り上げているように、そもそも管理職適齢期までに、女性がリーダーシップを取る機会が男性と比較し少なくなりがちであること、男性に比して自信を持ちにくい女性が多いこと、「内なる障壁」(本コラム第3回ご参照)によりリーダーシップを取ることを避ける傾向にあること、管理職としては、組織のマイノリティ(女性)でありながらマジョリティ(男性)に対しリーダーシップを発揮することを求められるケースが多いこと、等を考えると、女性管理職については上記3ポイントを早めに強化し、自信を持ってリーダーシップを発揮できるベースをつくっておくことが大事です。

物事を判断する際の「軸」とは

当デモセッション第1回のテーマは『困難な状況で誤った意思決定・誤った行動をしないための「自分の軸」を持つ』です。ちょっと長いタイトルですが、ここでお伝えしたのは次の点です。

  • 修羅場においては、迅速な意思決定が求められる。
  • ビジネスに「唯一の正解」はないので、迅速な意思決定時には「明らかに誤った決定をしなければOK」ぐらいの心持ちで。
  • 「明らかに誤った決定」をしないためには、普段から自分の判断の「軸」を明確にしておくことが大切。
  • 同時に、自分の意思決定に影響を与え得るネガティブ要因を認識しておくことも必要。

管理職の主な仕事は「意思決定すること」です。十分な判断材料が揃っていない中で、或いは状況が刻々と変化する中で迅速な意思決定を求められることも珍しくありません。その際に重要なのは、自身のミッションに沿った判断の「軸」を持っていて、その「軸」と照らし合わせて意思決定することです。

デモセッションでは、ご参加者に数名ずつのグループに分かれて頂き、オリジナルケース「女性管理職が遭遇する修羅場」を使ったワークに取り組んで頂く中で、ご自身が持つべき判断の「軸」をあぶり出して頂きました。ご参加者からは「実際にあり得る、臨場感のあるケースだった」「自分の判断の『軸』を把握でき、自身を分析・内省するきっかけとなった」「個々人や所属企業で、こんなにも判断の『軸』が違うことに驚いた」などの声を頂戴しました。

判断の「軸」を持つことの大切さについては、殆どの方が日頃から漠然と感じつつも、自分にとっての「軸」は何かを実際に整理する時間がなかなか取れないようで、「内省する時間と、ディスカッションにより刺激を得る時間、どちらも貴重であった」という感想を多く頂きました。

今回はデモセッションでしたので時間等の制約があり、ケーススタディという形でワークに取り組んで頂きましたが、実際の研修においては、ロールプレイ形式で修羅場における意思決定を体験して頂いています。

ライフイベント真っ只中の女性管理職が陥りがちな状況下で発生する修羅場、その中で年齢・性別などバラエティに富んだ部下が持つそれぞれの思惑をどう理解し、迅速に意思決定を下すか。かなりハードなロールプレイですが、修羅場における自分の行動傾向に気づき、内省し、自分の判断の「軸」を定める貴重な機会となります。「修羅場体験が足りない」と言われることの多い女性管理職の皆様に、このケースで修羅場を疑似体験して頂くことを願っています。

また当セッションの後半では「マジョリティ(男性)文化の理解」を目的に、一橋大学大学院経済学研究科准教授の竹内幹先生より「ビジネスにおける男性の意思決定、女性の意思決定」という大変興味深いテーマで講演をして頂きました。次回の当コラムで、その様子を詳しくお伝えします。

  • 太田 由紀 Yuki Ota

    太田 由紀サイコム・ブレインズ株式会社 専務取締役

    一橋大学社会学部卒業。株式会社リクルートにて中小企業の新規顧客開拓営業、および求人広告媒体の編集制作を担当。キャリアや人生を自ら切り開き構築する人々とともに歩み、支援したいという思いから1986年ブレインズ株式会社を設立。2008年にサイコム・インターナショナルとの合併を経て同年より現職。同社の人事を統括するとともに、研修プログラムの開発に力を入れる。また、講師としても約1万人への研修実績を誇る。担当研修はリーダーシップ強化研修、意思決定力強化研修、ビジョン立案強化研修、OJT強化研修、キャリア開発研修、UPAビジネスコミュニケーションスキル研修、UPAネゴシエーションスキル研修、UPAコーチングスキル研修など。近年では管理職になったばかりの女性とその候補に対する「女性管理職育成講座」や、女性管理職を育成する立場にある男性上司に対する意識改革の研修を立ち上げ講師を務める。

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