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女性とキャリア女性管理職のリーダーシップ強化ポイント③:
管理職としてのビジョンを構築する

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コラム

2016.04.01

太田 由紀 Yuki Ota
太田 由紀サイコム・ブレインズ株式会社 専務取締役

過去数回にわたってお伝えしてきました、『女性管理職育成プログラム(リーダーシップ構築編)』のデモセッション。今回は、『ビジョン構築力強化』をテーマに実施した最終回の模様です。ゲストスピーカーとしてお迎えしたエヌ・ティ・ティ・コミュニケ―ションズ株式会社常勤監査役、小林洋子氏によるご講演の様子も合わせてお伝えします。

想いを持った言葉は、力を持つ

この仕事で色々な方とお会いしていると、その方の発する「言葉」に強く心をゆすぶられることが多々あります。

例えば経営者の方の「自分の会社がこれから100年存続するために、何が必要かを常に考えています」という言葉。管理職の「自分のチームからは、一人も落ちこぼれを出さない」という言葉。技術者の「10年後には、自分の設計したブレーキがヨーロッパの主要な電車に搭載されているようにしてみせる」という言葉。また前回のコラムでご紹介したプレジデント社/今井氏の「女性のリーダーシップ発揮を支援することで、日本の社会を変える」という言葉。どの方も自分の成すべきことに意義を見出し、それを強い想いを持って語っています。このような言葉を聞いたとき、私のような社外の人間であっても「この人と一緒に働き、喜びや苦労を分かち合ってみたい」と思います。

リーダーが発するこれらの言葉は「ビジョン」と呼ばれるものです。リーダーが「自分たちの成すべきこと」や「自分たちがありたい姿」を語ることで、メンバーは自分の仕事の意義を実感し、自ら動きだします。そしてリーダーの強い想いに裏打ちされたビジョンは、リーダー自身にとっても自信の源泉となります。

女性管理職にとって、ビジョンは強力な武器

リーダーがビジョンをつくり掲げることは、チームをまとめるための有効な手段となります。特に女性管理職にとって、ビジョンは強力な武器となるのではないでしょうか。

例えば、自分には強い権威やパワーがないと感じ、どうやってチームをまとめるべきか悩んでいる管理職であっても、チームが為すべきことやその意義を練り上げて言葉にし、発し続ければ、たとえ声高でなくても次第にメンバーが自分と同じ方向を向くようになります。圧倒的な権威を持っていなかったとしても、強い想いとやり遂げる意思を示すことで、人を動かすことが可能になります。

今まで優秀なプレイヤーであった人ほど「日々の仕事を確実に進めることは得意だが、大きな絵を描いたり夢を語ることが得意ではない」傾向にあるかもしれません。新任管理職の方には、まず自チームの仕事の意義は何か、ありたい姿はどのようなものかを深く考え、それを言葉にして頂きたいと考えます。

ビジョン構築の3ステップ

チームビジョン構築のステップを、弊社では「構想し、表現し、共有する」の3段階としています。

まずビジョンを「構想」する過程では、受講者は会社の方向性や部門戦略・目標等を再認識しつつ、自チームの成すべきことを明確にし、そこに自身の価値観も反映させます。次に構想した内容を、簡潔で分かりやすくメンバーの心に残るメッセージに練り上げ「表現」します。そしてそのメッセージを、現場のメンバーと対話を重ねながら「共有」し、その後も継続して有言実行します。この3段階を修得することにより、受講者は自チームを、目指すべき方向に自信を持って導くことができるようになります。

当デモセッションでは、この中の「構想」「表現」のエクササイズ部分をご体験頂きました。まずチームビジョン立案の考え方を共有した後に、グループ毎に、消費財メーカーA社とB社それぞれの製品についてビジョンを立案し発表、その後講師(鳥居勝幸)からフィードバックを得ました。

リーダーシップは「MVP」…エヌ・ティ・ティ・コミュニケ―ションズ株式会社常勤監査役/小林洋子氏のご講演より

この日の講演は、小林洋子氏に「部下を巻き込み周囲を動かした、私のビジョン」のタイトルにてお願いしました。

小林氏は「女性は寿退社」の時代に電電公社にご入社後、数回の転勤を経て民営化時には「CIプロジェクト」で現NTTのロゴマークや理念作成をご担当。その後はNTTで新規事業を立ち上げた後、NTTコミュニケーションズで初の女性取締役となり、NTTコムチェオでは代表取締役を務められました。

小林氏からは「リーダーシップとはMVP(MISSION/VISION/PASSION)」というメッセージを頂きました。自分や組織の使命(何のためにここに存在するのか)を考え、その使命を果たすための明確なビジョン・具体的目標と達成イメージ(メンバーの手足が動くように)を簡明に語り、強い想いと情熱を燃料に前進するのがリーダーである、ということです。

「人を巻き込むには『他人事』から『自分事』へ」「真っ暗闇の中では自分が光源になればよい」「任せる勇気と聴く素直さを」「自分流のリーダーシップに自信を持つ」などの貴重なアドバイスを頂きました。

ご参加者の感想

今回のデモセッションについて、ご参加者から次のような感想を頂きました。

  • 講師解説によるビジョン作成のポイントがとてもクリアで、よくわかった。どこを改善すればよいのかもわかって良かった。
  • よく社内で「会社の方向性がわからない」という声が上がるが、何が足りないのかよくわかった(計画の話だけで、ビジョンが足りていない)。
  • 小林氏の講演はとても共感できる内容だった。強さもあり、自分に置き換えて実行してみたい内容だった。

以上、4回にわたってデモセッションの様子をお伝えしました。当セッションでは女性管理職のリーダーシップ強化ポイントを、3つ(意思決定力・内省型リーダーシップ・ビジョン構築)に絞り込みましたが、多くのご参加者から、新任女性管理職のニーズにマッチしているという評価を頂戴しました。加えて、他社の様々な方々と共に学び知り合うことが出来できる公開講座という場は、女性管理職にとって貴重な場であろう、というお言葉も複数頂きました。

デモセッションでご参加者から頂いたご意見等を踏まえ内容をブラッシュアップして、本年5月より公開講座『女性管理職育成プログラム リーダーシップ構築編』を開講致します。詳細は下記URLをご覧頂ければ幸いです。

<公開講座>
女性管理職 育成プログラム〜リーダシップ構築編(全3回)〜
http://www.cicombrains.com/open_class/japan/20160513.html

  • 太田 由紀 Yuki Ota

    太田 由紀サイコム・ブレインズ株式会社 専務取締役

    一橋大学社会学部卒業。株式会社リクルートにて中小企業の新規顧客開拓営業、および求人広告媒体の編集制作を担当。キャリアや人生を自ら切り開き構築する人々とともに歩み、支援したいという思いから1986年ブレインズ株式会社を設立。2008年にサイコム・インターナショナルとの合併を経て同年より現職。同社の人事を統括するとともに、研修プログラムの開発に力を入れる。また、講師としても約1万人への研修実績を誇る。担当研修はリーダーシップ強化研修、意思決定力強化研修、ビジョン立案強化研修、OJT強化研修、キャリア開発研修、UPAビジネスコミュニケーションスキル研修、UPAネゴシエーションスキル研修、UPAコーチングスキル研修など。近年では管理職になったばかりの女性とその候補に対する「女性管理職育成講座」や、女性管理職を育成する立場にある男性上司に対する意識改革の研修を立ち上げ講師を務める。

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