コラム

2023.08.15

いかにしてDX人材を育てるか ~「デジタル」×「データ」×「ビジネス」の3つのリテラシーを高める~

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小西 功二 Koji Konishi
小西 功二 サイコム・ブレインズ株式会社
ディレクター / シニアコンサルタント

DX人材をどのように確保する?~外部調達と社内育成~

DX推進は期間を定めたプロジェクトとして進められるのが一般的(*)だとすると、全ての人材を丸抱えで育成するのは現実的ではありません。図表1の⑤や⑥の人材は、専門ベンダーから期間限定で外部調達するのが一般的ではないでしょうか。そうすると社内育成対象は①から④の人材となりますが、④のデータサイエンティスト/AIエンジニアは高度専門人材であり、社内育成には多大なコストと時間が掛かるものと想定されます。一部の大企業やIT系企業でない限り、④の人材も中途採用か、もしくは期間限定の外部調達となりそうです。そうすると、DX人材としての育成ターゲットは、①の人材から③の人材に絞り込めそうです。自社の事業や社内の事情に通じた社員の中からDX推進の上流工程に関わる人材を育成することで、DX推進の第一歩が踏み出されることが期待されます。

*DXへの取組自体は永続的なものであるべきですが、DXの取組テーマは毎回変わるはずであり、その意味でDX推進は有期プロジェクトの連続と言えるでしょう。

ただし、専門人材やベンダーを外部調達するとしても、最低限のDXリテラシー(DXに関わる知識・能力)を社内に備えていないと、外部専門人材やベンダーから「相手にされない」ということには注意が必要です。外部専門家は今や引っ張りだこです。話が通じない企業を相手にしている暇はないでしょう。反対に、一定以上のDXリテラシーを備えた企業、エンジニアと最低限の技術的な会話が噛み合う企業ならば外部専門家との連携もスムーズで、DXプロジェクトも次々と進むでしょう。DX推進の度合いが日本企業内で二極化している背景には、上記のような事情もありそうです。

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