コラム

2023.08.15

いかにしてDX人材を育てるか ~「デジタル」×「データ」×「ビジネス」の3つのリテラシーを高める~

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小西 功二 Koji Konishi
小西 功二 サイコム・ブレインズ株式会社
ディレクター / シニアコンサルタント

DX人材育成で重要な2つのポイント~目的意識と優先順位~

以上、DX人材育成に対するトレーニングベンダーとしての私見を述べてきました。大事なポイントは、「課題認識に基づく目的意識と優先順位」です。人材育成は手段であって目的ではありません。また、DXも手段であって目的ではありません。「どのような価値を実現したいのか」「そのためには何を乗り越えないといけないのか」という課題認識と目的意識があって初めて、その実現に向けて手段を講じることが本筋です。その意味では、自社の事業や業務に通じていること、適切な課題設定ができる論理的思考があることもDX人材の要件になるでしょう。

一方で、DXリテラシーが高まっていない状態で、真っ先にビジネスモデルの変革に着手するのも土台無理な話です。身の丈に合った業務の効率化や自動化から着手して、スモールサクセスを積み上げていくことも重要です。経済産業省が示したDX推進ガイドラインにあるDXの定義には、「企業文化・風土の変革」も含まれています。もちろん、企業文化・風土の変革は一朝一夕には成し得ませんが、まずはマネジメント層と従業員のマインドセットから始めるのも手なのかもしれません。

<参考資料>

  • 石井大智、鶴岡友也『デジタル技術で、新たな価値を生み出す DX人材の教科書』朝日新聞出版(2021年4月)
  • 市谷聡啓『デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー 組織のデジタル化から、分断を乗り越えて組織変革にたどりつくまで』翔泳社(2022年2月)
  • 岸和良、杉山辰彦、稲留隆之、中川邦昭、辻本憲一郎『DX人材の育て方 ビジネス発想を持った上流エンジニアを養成する』翔泳社(2022年4月)
  • 藤井保文『ジャーニーシフト デジタル社会を生き抜く前提条件』日経BP(2022年12月)

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