コラム

2023.08.15

いかにしてDX人材を育てるか ~「デジタル」×「データ」×「ビジネス」の3つのリテラシーを高める~

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小西 功二 Koji Konishi
小西 功二 サイコム・ブレインズ株式会社
ディレクター / シニアコンサルタント

リテラシーの有効な習得法

一般的に人材育成の手段にはOJT、Off-JT、自己啓発の3種類がありますが、学習定着率を加味して、これらを適切に組み合わせることが重要です(図表3)。

まず、デジタルリテラシーは、知識習得なのである程度は自己啓発で賄えそうです。インターネット検索、関連書籍、動画教材などを通じて、自身の知識レベルに応じて学べます。より高度な知識を求めるならば、専門的な外部セミナーの受講なども役に立つでしょう。

デジタルリテラシーは、DX人材以外の一般社員やマネジメント層にも学習させることが重要です。デジタル技術で何ができるのか、どのような価値が実現できるのかの、最低限の「土地勘」を養わせる必要があります。これがないと、いざ社内でDX推進が始まった際に、無知や無関心ゆえに足を引っ張ったり、重要性の認識のなさからリソース配分の協力が得られなかったり、最悪の場合は変革を嫌って抵抗勢力に回ったりする恐れがあるからです。目的意識が明確で、DX推進が自分事になっているDX関連部門の社員ならば自己啓発に任せられますが、そうでない一般社員やマネジメント層には、半ば強制的なOff-JTによる学習を課すことも必要になるかもしれません。

次に、データリテラシーの基礎的なスキルについては自己啓発でも学べますが、応用的スキルとして活用して磨く場が必要です。Off-JTのオンライン/オフライン研修や社内勉強会を通じた学び合い、ピアラーニングも良いでしょう。数字を読んでそこから分かるメッセージを導き出したり、分析してインサイトを発見することに長けた人から「盗む」ことも応用的スキルを得る近道となります。資格取得という目標を設定して、インセンティブをつけて学習奨励するのも効果的です。もちろん、実務を通じてOJTで学ばせても良いでしょう。

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